「高知からでも世界へ」桜井つぐみ拠点を高知へ 大学院生×アスリートの二刀流で挑む地域貢献
2025年5月12日(月) PM8時38分
パリオリンピックで高知県勢92年ぶりの金メダルに輝いた桜井つぐみ選手。自分に続く選手を育てたいと、この春から高知に拠点を移し新生活をスタートしました。
入学式で宣誓する桜井つぐみ選手(2025年4月):
「宣誓、この度高知大学に入学を許可されました上は、大学院生としての本分に従って学業に励み、品性を養い、高知大学学則を守ること誓います」
金メダルの栄冠から8カ月。桜井選手は現役を続けながら、2025年4月に高知大学に新設された修士課程「スポーツ・芸術文化共創専攻」に入学しました。そして、いま…。
つぐみさん:「おはようございます」
Q今日はこれから?「これから授業があります。行ってきます。」
ボーダーのカットソーにブルーのデニム!大学院生っぽくて《こじゃんとえい》ですね!桜井選手は平日の午前は毎日大学で講義を受け、夕方からはレスリングの練習に励む学生と選手の二刀流生活を送っています。
大学院で取り組んでいるのは、スポーツや芸術を通じた地域振興や課題解決などです。
桜井つぐみ選手:
「自分が競技者として一区切りついて、やりたいことについて考えたときに、地元でのレスリングの発展というのをすごく思って。
桜井選手が一番伝えたいことは「高知からでも世界を目指せる」。
この日は、人口減少が進む高知で文化を生み出していくことをテーマに意見を交わしていました。
桜井つぐみ選手:
「スポーツでもそうだし、いろいろつながるコミュニティーの場所を、人が減ったから無くすんじゃなくてつなげ続けていけるように」
桜井選手について、ゼミの准教授は…
高知大学 教育学部 幸篤武准教授:
「とにかく高知県にとって稀有な存在というか、宝みたいな存在ですので、彼女を旗頭にしながら地域が盛り上がっていく、その原動力となってほしい」
都会と比べ、指導者不足など県内のスポーツは課題が多いと桜井選手は話します。
桜井つぐみ選手:
「金銭面だったり、環境面だったり、まだまだ課題があると思っている。そういう点を解決していくことで、高知県に帰って来て、レスリングを教えたいなと思う、そういう子たちが増えたらうれしい」
そんな桜井選手に刺激を受けているのが高知のジュニアたちです。桜井選手の父、優史さんが設立した高知レスリングクラブで練習に励んでいます。
この日桜井選手は、高知に帰っていた清岡幸大郎選手と県内のジュニアを指導しました。清岡選手は共にパリで金メダルを獲得した幼なじみです。
清岡幸大郎選手:
「僕はなかなか、(高知に)帰ってきて強化って所では難しい部分があるので、自分ができない分もいろいろ伝えてもらえたらすごくありがたいです。離れてはいるんですけど僕もいろんな方法で協力することができたら」
後輩たちも“金メダリスト”から刺激を受けているようです。
学芸高2年 下田結月さん:
「やっぱり強くて、技術も全然レベルが違うのですごいなと思った」
桜井選手の妹で野市中2年の桜井つきのさんも練習に励みます。5月、水戸市で行われた全国中学生選手権で見事優勝を果たしました。お姉さんの指導はどうですか?
野市中2年 桜井つきのさん:
「世界で活躍するには一つ一つの技をきっちりしていかないと、点数取ったり勝つことができないのがわかる」
桜井つぐみ選手
「レスリングで世界を目指す子たちが増えるのもうれしいですし、レスリングをやって良かったなって思う子たちが増えるようなクラブチームだったり、指導したりとか、そういうものをつくっていきたい」
6月28日には香南市で、つぐみさんと清岡選手のレスリング体験教室が行われます。参加費は無料で、3歳から中学生までが対象です。世界を制した二人からレッスンが受けられる貴重な機会をお見逃しなく!