高知の高木酒造をアメリカ輸入商社が視察「もう一杯ほしい」バイヤー絶賛 関税15%でも値上げせず
2025年7月28日(月) PM7時37分
8月1日からアメリカへの輸出にかかる関税が15%になり、高知県内でも影響が懸念されています。そんな中、28日、香南市の酒蔵にアメリカの輸入会社が視察に訪れました。
1884年創業の老舗の酒蔵・高木酒造は、米も酵母もできるだけ高知の素材を使って酒造りを行い、フランスやドイツ、中国など海外への輸出も行っています。
訪れたのはアメリカの日本酒輸入商社「Cedar Sake社」の中島社長と営業担当者の4人。高木酒造に製造を依頼したプライベートブランドの日本酒「BOKEN RINGO」を、2024年10月からアメリカで販売しています。
今回の視察は、アメリカへの土佐酒の輸出拡大を図ろうと県が招いたもので、酒造りを深く学び営業にいかしてもらうという狙いがあります。
営業担当者は、今では珍しいという大きな釜で米を蒸す行程に興味深々です。
Cedar Sake社 営業部長 ブリー・コンウェイさん:
「どれ位の量が入りますか」
高木酒造6代目 杜氏 高木一歩さん:
「400ちょい、450kgとかですかね、一日に蒸す量は」
一行は6代目の高木さんから、麹づくりの説明を受けたり、酒の元になるもろみを発酵させる仕込み蔵を見学したりと、頻繁に質問をしながら酒造りの知識を深めていました。
Cedar Sake社 営業部長 ブリー・コンウェイさん:
「酒を大切な芸術品のようにつくり続けてきていることにとても感銘を受けた。日本文化にとって大事な日本酒を、アメリカの文化の一部に取り入れられるようにしたい」
アメリカで販売している「BOKEN RINGO」は、ミシュランの10店舗以上で扱われるなど評判は上々で、8月に第2弾のプライベートブランドも輸出することになっています。
初めて飲んだ営業のジェイクさんは「もう一杯」リクエストです。
Q.おかわりする程おいしい?
ジェイク・バーディックさん:「そうです。もうちょっとほしい」
高木酒造6代目 杜氏 高木一歩さん:
「今回売っているBOKENシリーズは、高知県の素材にこだわった酒で、酵母が要となっている。現地の食事と合わせていただきながら、満足いただけるような製品にしていけたら」
Cedar Sake社の中島社長は、15%の関税について、購買力が落ちることを避けるため、今後1年間は上乗せをせず値段を据え置くことにしています。
Cedar Sake社 中島大祐 社長:
「高知県って、天候的には米を栽培するのに大変な所。台風も多かったり風も強かったりする。そういう所でおいしい酒をつくるのはすごく魅力を感じている。高知県でしか作れない酒だからこそ価値があると思っているので、そういうのをもっと広めたい」
Cedar Sake社の一行は30日まで滞在し、4つの酒蔵を視察することにしています。