“ドンキ”に負けるな!高知工科大・学生たちのデジタル戦略で土佐藩の歴史が観光資源に
2025年5月13日(火) PM6時53分
「“トイレットペーパーからルイヴィトンまで”とよく言われるんですけれど、本当に幅広い商品群があります」と語るのは大型量販店ドン・キホーテのデジタル戦略を担当する小林真美さん。
5月10日、高知工科大学の永国寺キャンパスで行われた学生たちの発表イベントにゲストスピーカーとして招かれました。
“ドンキ”と言えば2025年2月に高知店がオープン。全国の都道府県で最後の出店として話題になりました。
店づくりの特徴は様々な商品を大量に所狭しと並べ、宝探しをしているかのような感覚が楽しめること。
一方で、小林さんは講演の中で「入浴剤を探して“目的買い”で行くと、『どこにあるんだ?』みたいな。イラっとすることも」と自らが感じていることを話したうえで、現在取り組んでいる「画像認識技術を活用したフロアマッピング」について説明しました。
商品の写真をアプリでアップロードすると店のどこに置いてあるかが分かる仕組み。現在、一部の店舗で導入されていて、今後、高知にも導入される予定ということで、最新のテクノロジーで買い物が便利になりそうです。
高知工科大の学生たちも大企業のデジタル戦略に負けていません。
2024年4月に開設されたデータ&イノベーション学群の1期生61人がこれから2年ほどかけて取り組む10のプロジェクトを発表しました。
グローバルIT企業のマイクロソフトと連携した“DX人材”の育成塾や、デジタルを活用したベトナムの少数民族支援などのほか、高知市の商店街などと連携するプロジェクトも。
「デジタルコンテンツを軸に商店街の盛り上げにつなげる」というチームが目をつけたのは、高知城の隣にある場所。青空将棋を楽しむ人たちが集う公園が整備され、現在、一帯は『藤並の森』と呼ばれていますが、元々は土佐藩・山内家の初代一豊夫妻などを祭った『藤並神社』がありました。
学生たちは戦争で焼失した神社などをデジタルコンテンツで再現。観光資源として生かす計画で、すでに山内一豊の肖像画をもとにAIで3Dアニメーションを制作しています。
高知工科大2年・永易拓実さん
「高知の中心街には歴史的な物語が残っていてそれは観光資源として価値があると分かったのでそれを自分たちのデジタルの力を使って形にしていく。高知そのものが活性化していけるようにできたら」
学生たちのプロジェクトには他にも明徳義塾のゴルフ部と協力してスイングの動画分析などで選手の技術向上に役立てるものや、自動車の運転情報とドライバーの健康情報などを組み合わせて交通安全につなげようというものなどがあります。
ローカルとグローバル、過去と未来。おらんくの学生たちがデジタル技術を相棒に縦横無尽に駆けまわります。