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News- 高知のニュース

高知でたどる漫画の歴史『これが漫画!展』横山隆一記念まんが館で11月4日まで

海外でも高い人気を誇る日本の「漫画」。いつ生まれどのように発展したのか、歴史をたどる企画展が高知市で開かれています。

高知市の横山隆一記念まんが館で開かれている企画展。明治から昭和にかけて日本漫画文化の礎を築いた3人の漫画家を紹介しています。 “漫画”という言葉が浸透していなかった明治時代、日本初の職業漫画家として活躍したのが北沢楽天です。

福沢諭吉が創刊した新聞「時事新報」に掲載される漫画を描いていましたが、より自由な表現を求めて漫画雑誌を創刊。当時の世相や国際情勢を風刺漫画や一コマ漫画で表しました。

川辺世里奈アナウンサー:
「一万円札の肖像でおなじみの渋沢栄一さん。顔の周りからたくさん手が出ています。実業家として国を動かすほどの影響力を持った渋沢さんの多才ぶりを千手観音に例えた作品です」

『実業寺本尊 千手観世音菩薩』北沢楽天(1909年)

ノコギリには「分割」本には「整理」と書かれていて、多方面に手腕をふるった渋沢を実業家たちがあがめたてるようすがユーモラスに描かれています。1930年代には漫画雑誌に作品を投稿する若手が次々と出てきました。

横山隆一記念まんが館学芸員・大野雅泰さん:
「新しい仕事を得ることが若い人(漫画家)たちは難しかったので雑誌への投稿仲間たちが集まって“新漫画派集団”というグループをつくります。その中心人物の一人として横山隆一がいます」

「新漫画派集団」は風刺画よりも一目見て笑える“おもしろさ”を重視。しかしこの時代、国際情勢は不安定になり日本は戦争に突き進みます。高知市出身の漫画家・横山隆一は代表作「フクちゃん」で戦前から戦後の日常を描きました。

横山隆一記念まんが館学芸員・大野雅泰さん:
「これは戦中のフクちゃんになるんですけれども、フクちゃんたちの遊びでも“戦争ごっこ”という遊びがたくさん描かれています」

昭和に活躍した漫画家・那須良輔も戦争に翻弄されました。日中戦争以降、戦地に3度召集された他敵の戦意を失わせるためにばらまくビラ「伝単」を制作。戦後は政治を痛烈に批判した風刺漫画を数多く世に送り出しました。戦後には「漫画集団」が発足し、のちに手塚治虫ややなせたかしなど著名な漫画家たちがヒット作を生み出していきます。

横山隆一記念まんが館学芸員・大野雅泰さん:
「どういった形で漫画・漫画家という人たちが現れてきたのかということが知れて、これからどういったもの(漫画)がはやるのかっていうことも考えるきっかけになるのではないかと思う」

「これが漫画!展」は11月4日まで開かれています。

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