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News- 高知のニュース

障害者と健常者をつなぐ「ミライノサキ」パラカヌー小松沙季さんが池さん、豊ノ島さん、大林さんと開催

パラリンピック・カヌーの日本代表として知られる高知出身のアスリート小松沙季さん。小松さんが思い描く未来のきっかけ作りとして始めたイベント「ミライのサキ」に密着取材しました。

高知県を飛び出しやって来たのは… 鹿児島県の奄美大島です。

美しい海と自然があふれるこの島にゆかりを持つ高知出身のアスリートが。四万十市出身の小松沙季さんです。2大会連続でパラリンピック・カヌー日本代表に選ばれました。

そんな小松さんがここ、奄美大島で開催するイベントが「ミライのサキ」です。ゲストには同じく高知出身の車いすラグビー日本代表・池透暢さんや元関脇の豊ノ島さん。さらに、バレーボール界のレジェンド大林素子さんも参加しました。

小松沙季さん:Qイベント開催のきっかけは?
「やっぱり障害者について正しい理解をするということが大事なのかなと思っていて。実際に触れあう、同じ空間でひとつのことをみんなで体験して共有するというのが一番早いのかなと。」

障害者と健常者をつなぐこのイベント。そもそも、なぜ開催地が奄美大島なのでしょうか。

小松さんはプロバレーボーラーとしてVリーグで活躍。引退後に体調を崩し車いす生活なった時カヌーと出合います。そんな小松さんと奄美大島をつなげたのは。

小松沙季さん:
「どこか暖かいところで個人トレーニングをやりたいねってなった時に、たまたま奄美大島って出てきて。このグーグルマップでずっとこう引いていったら内海あるからここできるんじゃない?ってなって。」

地図アプリで偶然見つけた湾がこちらです。トレーニングにうってつけの環境に3年前から奄美大島に通うようになりました。

奄美市は小松さんが練習しやすいようこれまでなかった桟橋を設置。すぐそばにある宿泊先のバンガローでは車いす用にスロープもとりつけられました。

スロープを設置した満田英和さん:
「(健常者と障害者)お互いの方々が意識を持っていただければありがたいなという思いもありましたので、すごく設置して良かったなと」

障害者にとっても優しい未来になってほしいと始めたこのイベントはお世話になった奄美への「恩返し」の思いも込められていました。
 
子ども:「今から押しますよ」

段差を降りる時は転倒を防ぐため、後ろ向きで介助するのが大切。

「急に引くと大林さんがびっくりするので『今から引きますよ』声をかけてください」
「今から引きますよー」
「引いとる引いとる!」

子どもたちも慎重に手伝います。

ぜったい重い!無理だよこんなの!

ちょっと重たい豊ノ島さんでも
みんなで力を合わせれば…

頑張ってくれ~

障害も乗り越えられます。

車いすで参加した宮田結菜さん:
「自分は『脳性まひ』っていって、ちっちゃい時から脳の障害を持っていて、左下半がまひでなかなか動けないんですが、もうちょっとみんなに障害のことや、車いすはこういう使い方をするんだよっていうのをみんなに話ができると嬉しいです」

一番盛り上がったのがチームに分かれての車いすリレー対決。

車いすに乗る人も応援する人も、誰もが笑顔。小松さんが思い描く未来が垣間見えるレースでした。

参加者:
「楽しかった」「回る時とか(車いすを)動かすのがすごい難しかったです」

車いすラグビー金メダリストの池さんから世界レベルのタックルを受けられる貴重な体験も。

体験者:「あ、軽トラ来た」と思った

車いすを自在に操る池さんを目の当たりにして子どもたちはあっという間に池さんファンに。

そんな中、印象的だったのは池さんとキャッチボールで交流する車いすの子どもたちの姿でした。

池透暢さん:
「奄美ではなかなか車いすの競技が実際見られないところを、こうやってこの体験によって見てもらうことができて、二人ともかなり興味を持ってくれたので、何かを始める一歩になるとかっていうそういうきっかけになる、今日のこのイベントだったら良かったなと思う」

イベントをきっかけに奄美から新たなメダリストが生まれるかもしれません。年齢も障害も関係なくたくさんの笑顔が生まれた一日でした。そんな小松さんが考える「ミライのサキ」とは。

小松沙季さん:
「このイベントを通して障害者に対するハードルが下がって、街中で困っている人を見かけた時に声をかけやすくなったりとか、この空間、こういう優しい空間というのがどんどん日本全体に広がっていってくれるといいなというのは一番目標ではありますね」

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