「過去70年以上6月の梅雨明けなし。異例の暑さだが梅雨明けと判断しがたい」吉井庸二気象予報士【高知】
2025年6月17日(火) PM7時33分
梅雨入りから1週間あまり、ここ数日は晴天で、6月16日は高知県内で観測史上最も早く猛暑日を記録しました。梅雨明けを思わせる空模様ですが、これは梅雨明けではないのか、専門家に伺いました。
中川哲記者:
「今は6月ですが、ご覧のようにきょうも晴天が広がっています。さらにあすからの予報を見てみますと来週月曜日まで晴れの日が続いています。県民はどう感じているんでしょうか?」
社会人の女性2人組:Q月曜日まで晴れが続いていますが?
「うれしいですね、やっぱり。そのまま梅雨明けてほしい。洗濯物干せないし外に遊びに行けないし」「私バス通勤なので道が混んでしまって通勤に2倍、3倍もかかってできたら雨は降らないでほしい」
高知市の男性:
「天気がいいのはいいですけど、はや夏が来たかなっていう感じで。けどまあ、雨が降らんと困るところもあるかと思うので、そこは程よく雨が降ってもらったらいいのかな」
火曜市・店主:
「今、ひまわりとか置いてあるんですけど、これってちょうど栽培して収穫のシーズンなんですけど。雨とか続くと結構倒されたりして、起こしたりを繰り返しで余分な作業が増えてしまって大変なところはあります」
梅雨入り後ここ数日晴天が続く県内、これって梅雨明けではないのという疑問を気象予報士にぶつけました。
【気象予報士解説・吉井庸二さん】
今年の6月は異例の暑さに見舞われています。昨日四万十市中村では観測史上最も早い猛暑日を記録。そして今日も四万十市江川崎で猛暑日となり、梅雨の6月としては異例の暑さに見舞われているんです。
この暑さの原因は異例の強さとなっている太平洋高気圧。普段であれば、西日本付近、梅雨前線が停滞しているんですが、今夜9時の天気図からは消えてしまっています。四国地方は、高気圧に覆われて、真夏並みの熱い空気が流れ込みました。
一見すると梅雨明けなのではと思ってしまいますが、そう簡単には判断はできないんです。過去の梅雨明けの記録見ていきますと、最も早かった年で7月1日、過去70年以上の統計で6月に梅雨明けした事は実はないんです。今の段階で梅雨明けとはなかなか判断がしがたい状況です。
ちなみに2022年には6月28日に1度梅雨明けの発表がありましたが、7月に豪雨に見舞われるなどして、7月22日に梅雨明けが見直されたと言うこともありました。そもそも梅雨前線というのは強弱をつけながら、さらに南北に移動しながら、徐々に夏本番へと移行していくそれが梅雨の本来の特徴なんです。
来週の天気図を見ていただきますと、再び梅雨前線が復活し、西日本付近にもかかる予想となっています。四国地方に関しましては、6月末から7月上旬ごろ曇りや雨の日が多く、前線の影響再び受ける日が多くなりそうなんです。
この先の1ヵ月予報見てみますと降水量は並か少ない。そして気温は高い予想。日照に関しては並か多いということで、今年は空梅雨傾向。晴れて暑い日は多くなりそうなんです。
ただ先ほどもお伝えしましたように降水量、7月前半ごろは前線の影響受けやすくなりますので短期間の集中的な大雨の恐れはまだ残っています。
なのでしばらく暑い日は続くんですけども、あくまで梅雨の中休みと考えておいたほうがよさそうです。今年の梅雨は猛暑。そして短期間の集中的な大雨、隣合わせとなりそうです。
今年は暑さそして雨の対策しておいた方が良さそうです。