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News- 高知のニュース

どんな色の歯にも「ア・ウーノ」!メイドイン高知の《詰め物》を世界へ!【YAMAKIN】

メイドイン高知の革新的な歯の材料についての特集です。歯の色って人それぞれですよね。でもこの詰め物が1本あればどんな色にもフィット。治療の「時短」につながっています。

虫歯治療に欠かせないのが「詰め物」。実は高知の企業が作った「詰め物」がいま、世界から注目されています。半透明のペースト、1色でどんな歯の色にも対応するんです。

白い歯にも色の濃い歯にも、同じ1色のペーストとは思えないほどぴったり「合う」ことと、イタリア語で1を意味する「ウーノ」を組み合わせて、その名も「ア・ウーノ」と命名されました。香南市の企業YAMAKINが開発しました。

YAMAKIN開発担当:
「ア・ウーノは1色でほとんどの歯の色に合わすことができるというのが従来型との違う点になります」

歯の色は人それぞれ。そのため虫歯治療の詰め物は10種類以上から患者の歯に合う色を選んでいました。

実際にア・ウーノを使っている歯科医はー

山北歯科診療所・岡本康太院長:
「歯の色って結構種類があって合わせるのが難しいんですけれども、一種類の色で残ってる歯の色を拾ってくれるので、色合わせが非常に楽」

革新的な技術が評価され、今年度の高知県地場産業大賞の中の「産業振興計画賞」を受賞しました。

香南市山北にあるYAMAKINの研究所。歯科材料の開発や製造販売をしていてこの分野で国内トップシェアを誇ります。開発メンバーの一人水田悠介さん(37)は12年前に入社してから歯科材料の開発一筋です。

歯科医の負担を減らそうと、4年前詰め物の色選びをする必要がない画期的な製品づくりをはじめました。

YAMAKIN開発部・水田悠介さん:
Q難しかったこと、苦労したことは何ですか
「どういう色にすれば色々な歯の色に合っているように見せられるか、そういうところの設計がかなり苦労しました」

成分を調整し、光の反射など目の錯覚を利用して、どんな歯にも同化して見えるという仕組みです。様々な色の歯の模型で試行錯誤し約1年半。どんな歯にも「合う」色の製品を作り上げました。

YAMAKIN開発部・水田悠介さん:
「もうめちゃくちゃ嬉しかったんですけど、クレームが来たらどうしようとか、正直にいうとそっちの心配のほうがありましたね。(歯科医の)先生からの感想を聞くにつれて、良いものだったのかなって思えて、初めて良かったと思いましたね」

実際にア・ウーノを使っている山北歯科診療所を取材しました。歯科医が色を選ぶ時間が省けることは患者にとっても診療が早く終わるというメリットがあります。

衛生士:「自然にいってると思います」
患者:「欠けた部分がどこか分かってない」
患者:「見た時に全然分からないので、元に戻ってよかったと思います」

別の症例では、虫歯で黒ずんでいる部分を削ってア・ウーノで埋めると、もとの歯の色との境目がわからない自然な仕上がりに。

ア・ウーノを使った治療は保険適用で歯一本あたり約1000円というこれまでの樹脂材料を用いた治療と変わらない価格帯です。

県内にある約340の歯科医院と歯科診療所のうち140カ所ほどで使用されています。

歯科医も患者も負担が減るア・ウーノは世界でも評価され、現在、東南アジアやヨーロッパを中心に15ヵ国で使用されています。

そこでYAMAKINは去年、新しい工場を建設し月2万本から5万本に生産量を増やしました。また来月ドイツで行われる世界最大の歯科製品の展示会でもア・ウーノをPRすることにしています。

YAMAKIN開発部・水田悠介さん:
「国内はもちろんなんですけど、特に海外ですね。グローバルに使われる製品になっていますので、より展開をしていって(去年の売り上げの)10倍ぐらいにはしていきたい。メイドイン高知の製品を自信を持って世界に今後も展開していきたいと思ってます」

メイドイン高知の画期的な製品。これからも世界の人の歯の色にぴったり「合う~の」!

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