泥水をろ過《被災地に水を》石川県珠洲市で支援活動「自分ができる精一杯の事を」【高知】
2024年1月15日(月) PM6時40分
高知市で災害用の浄水装置を製造・販売しているアクアデザインシステムの社長・武田良輔さん。これまで東日本大震災や熊本地震などの被災地でも給水活動を行ってきました。
高知でも、2022年5月に「お堀の水」をろ過して飲み水にするというデモンストレーションを行っていました。くみ上げられた水の粗ゴミをフィルターで取り除き、浄水装置で雑菌などを除去し紫外線殺菌します。
出てきた水は…。
矢野愛優 記者
「見てください、透明で普通の水です。お堀の水とは思えないくらい臭いも全くなくて、臭みもない普通の水です」
汚れて緑色だったお堀の水は不純物が99.9%除去され、国の基準をクリアした「純水」に変わりました。
今回も車に浄水装置を積んで1月3日の夜に高知を出発。翌日から石川県珠洲市の緑丘中学校の避難所で給水活動を行いました。
被災地で給水活動した武田良輔さん
「私どもの装置は逆浸透膜という方式で水分子レベルの浄水を行う。回収された水分子は純水に近い水になる。例えばコーヒーだろうが、お茶だろうが、おしっこだろうが、その浄水器を通すと水しか出てこない」
供給する水に使ったのは砂防ダムの泥水です。この水が浄水装置のろ過・殺菌できれいになり、300人以上の被災者に飲み水やトイレの水などの生活用水として提供されました。
被災地で給水活動した武田良輔さん
「手を洗えない、顔を洗えない、歯ブラシできないって、すごいストレスだと思う。それが少しでも軽減できる水の供給は結構重要なことだと思う」
武田さんは1月11日木曜日までの8日間、車中泊をしながらあさから晩まで毎日、被災者に水を供給し続けました。
被災地で給水活動した武田良輔さん
「被災者の方々の方が大変な思いされてると思うけれど、皆さん来る人来る人感謝してくれて、高知から来てくれてありがとう、寒い中ありがとうって、お弁当とか差し入れとか、本当にたくさん持ってきてくれて、すごく温かい思いを感じた」
今週末には再び被災地に向かうという武田さん。お風呂とシャワーが利用できる装置で被災者に温まってもらいながら感染症対策にも役立てばと考えています。
被災地で給水活動した武田良輔さん
「僕ができることってほんとに小さいことでしかないんですけれど、できるだけ多くの方々の避難所生活のストレス改善、水の心配がないような活動を自分ができる精一杯の事をしていきたいと思ってます」