正月の《めでたいもの》一堂に 山内家ゆかりの4刀剣も特別公開 高知城歴史博物館【高知】
2024年1月12日(金) PM7時15分
2024年は辰年、狩野派の絵師・益信による屏風絵は、天に上る龍が力強く描かれています。
高知市の高知城歴史博物館で開かれている展示会には、収蔵品の中から鶴・亀・福の神などめでたい図柄の絵や干支の辰にちなんで龍をあしらった兜などが並んでいます。
明神康喜 記者
「お正月にちなんだめでたい物を集めた展示会。こちらには古文書があるんですが、なんだかわかりますか? 実はこれ、年賀状なんです。日付は正月二日。今でこそ年賀状は年末に書きますが、元々は年が明けて書くというものだったようですね」
高知城歴史博物館 水松啓太さん
「こちらの絵は、三福神を描いた絵になります。布袋と福禄寿と寿老人を描いた絵で、三福神が酒宴を行っている最中を描いた」
土佐藩の正月行事を今に伝える貴重な品も。和紙で作られたこの衣は、正月に藩主や家臣らが集まる「年頭御礼(ねんとうおんれい)」という儀式で、初代藩主・山内一豊が実際に着たものです。「年頭御礼」は一豊が土佐藩に持ち込んだ正月の行事です。
一豊が持ち込んだ正月の儀式は、他にも土佐に入る一豊の船団を再現した「船乗初(ふなのりぞめ)」や、馬に乗った武者が城下を疾走する「馭初(のりぞめ)」があります。「馭初」で馬が走り始める場所は「乗出(のりだし)」と呼ばれ、その後、昭和の頃まで現在の高知県庁の南側付近の地名として残りました。
会場で一際目を引くのが刀剣です。山内家ゆかりの4点はいずれも重要文化財で、今回特別に公開されています。
高知城歴史博物館 水松啓太さん
「幕府への献上を勧められた土佐藩主が『土佐一国に代えても譲らない』と言ったという逸話が残されている、そのような刀になります。今回特別に4振を一堂に会して特別に公開しています」
『福を呼ぶ城博コレクション~わきたつめでたきもの』は、高知市の高知城歴史博物館で3月4日まで開かれています。
高知城歴史博物館は今回の展示にあわせて河田小龍の「三福神」の一部をデザインしたカードを作っています。福禄寿が「まあまあそうおっしゃらず」と盃を進めると裏側は寿老人が「もうのめません」と一言。お酒の席で役に立ちそうなカードになっています。会場で無料配布されていますので、ぜひ足を運んでみてください。