「宇宙を身近に感じて」南国市に”アマチュア無線衛星”の観測拠点誕生【高知】
2021年9月30日(木) PM5時00分
みなさんは「アマチュア無線衛星」をご存じでしょうか?アマチュア無線の電波を利用して通信を行う人工衛星のことなんです。この観測拠点となる受信局が南国市に誕生しました。
モニターに映る地球や地図。その上に不思議な記号が並びます。よく見ると国際宇宙ステーションを意味する「ISS」の文字が…これは地球の周りをまわる衛星を表していて今、どこを飛んでいるのかリアルタイムで確認することができます。
「海洋堂SpaceFactoryなんこく」に新たに誕生したのは「アマチュア衛星」の観測拠点です。南国市と高知高専が、子どもたちに宇宙を身近に感じてもらおうと共同で設置したもので、全国に例を見ない公開型の受信局です。こちらの施設で観測するのは、世界各国の研究機関や大学が開発した「アマチュア無線衛星」です。この日は高知高専の今井一雅客員教授が、日本大学が運用している衛星Nexusが出す信号の受信を試みました。
衛星は地球の周りをおよそ時速2万8千キロ1時間半ほどで1周します。衛星から出ている電波を受信するにはアンテナを衛星の方向に向けなければいけません。屋上に設置されたアンテナを手元のリモコンを使い回転させたり角度を上下させたり調節を行い…衛星の電波が受信できるエリアを示す黄色の円内に南国市が入ると…
(衛星からのモールス)「ぴぴーぴぴぴ・・・」
今井客員教授「今、Nexusここから(信号が)来ている」
聞こえてきた信号音は衛星から送られて来たもので、解読すれば衛星の温度や不具合などのチェックができる仕組みです。
今井客員教授「衛星は秒速8キロというすごいスピードで飛んで行っているということを経験できる。そこからの電波を自分たちもキャッチできる宇宙を身近なものに感じることができたら面白いと思っています」
実は高知高専など全国10の高専が共同開発した初の小型衛星があす鹿児島にあるJAXAの施設から打ち上げられる予定です。