ノンフィクション作家・小松成美が語る「取材の極意」ざらざらした関係性を“研磨”して【高知市夏季大学】
2026年7月16日(木) PM7時24分
イチローや中田英寿、XJAPANのYOSHIKIといった著名人に密着し、一冊の本にまとめ上げたノンフィクション作家・小松成美さん。講演のため高知市を訪れ、取材への思いを語ってくれました。
7月15日夜、高知市夏季大学で講演したノンフィクション作家の小松成美さん。これまでイチローや中田英寿といったアスリートをはじめ、浜崎あゆみや18代目・中村勘三郎といった文化人など、さまざまな人物にスポットを当ててきました。
記者:
Qいろいろな人に会う中で、どうやって懐に入っていくか。題材を誰にするか。そのあたりはどんな感じですか
小松さん:
「まず自分がどうしても書きたいと思う方が現れたり、テーマを単行本にしたいと思ったら(相手に)手紙を書きます。アナログですけど。本を届けて会えなくても何度も書いたり」
相手の人生をあらわにしていく取材。予定調和ですんなりと進むものではないと小松さんは明かします。
小松さん:
「人と人との関係は本当ざらざらと、ごつごつとした手触りのいいものではないんですね。けれど、何度も何度も合わさりお互いを認め合うことによって、少しずつ研磨されてお互いを思いやる心が滑らかにしていく。『あ、この人になら話してもいい』『この方のことなら人生を懸けて本にしたい』と、気持ちがぴったり合わさっていくんですね」
小松さんはごつごつ、ざらざらとした相手との関係を恐れることなく、いつか必ず心が重なる時が来ると信じて取材に向き合っていると話します。
そして小松さんは今取り組んでいる仕事も記者に話してくれました。
小松さん:
「創業者が高知出身のカシオというメーカーがあるんです」
電卓やG-SHOCKで知られるカシオ計算機。創立した樫尾四兄弟の長男・樫尾忠雄氏と、初代社長を務めた四兄弟の父・茂氏は高知県出身です。
小松さん:
「何と日本人の発想は素晴らしい。そして勇気をもらっています。ものづくりとゼロから1をつくる新しいアイデア。高知をきっかけにいただいた出会いなので」
小松さんは樫尾家の歴史について執筆する予定で、2027年の創立70周年に合わせて出版できたらと話していました。
「高知市夏季大学」で小松さんは、集まった人にこう呼びかけました。
小松さん:
「人はそれぞれ異なる世界を生きている。好き嫌いがあって当たり前。意見が合わない人がいて当たり前。対峙だけではなく、会話を交わすことで必ず融合がやってくる。人はそれぞれ異なる世界を生きているからこそ、こんなに豊かな文化が生まれた」
小松さんはこれからもさまざまな世界で生きる人たちと対話し、私たちにすてきな文化を届けてくれそうです。










