高専生がAR技術で『木造掩体』を再現 スマホで見る南国市の戦争遺跡【高知】
2025年10月29日(水) PM7時33分
高知高専の学生たちが「拡張現実」と呼ばれるARの技術を使って南国市の戦争遺跡・「掩体」を再現しようと取り組んでいます。その報告会が28日に行われました。
掩体は空襲から軍用機を守る格納庫で、南国市では終戦前に特攻機が出撃し、52人が戦死しました。現在残っているのはコンクリート製7基で、木造で現存するものは全国にもありません。ところが3年前、掩体の保全に取り組む民間団体が貴重な木造掩体の写真を入手。高知高専の学生に協力を依頼し、再現する取り組みを始めました。
28日は南国市の教育委員会に高知高専の4年生4人が訪れ、ARによる木造掩体の制作状況を報告。「専門知識や新しい技術を使って地域に貢献したい」と授業の一環で写真や証言を元に3Dモデルを作成し、デモンストレーションを行いました。
スマホでマークを読み込めば目の前に木造掩体があるように見える仕組みで、教育委員会の担当者が実際に体験しました。
南国市教育委員会・岡上萌子 主幹:
Q再現度、どうですか?
「先ほどの写真と比べてもすごいよく再現できている。すごーい」
最終的には木造掩体が元あった場所でスマホなどを使ってそこに掩体があるように見える形を目指していて、学生たちは2026年1月の学校の発表会までモデルの精度を高めていくということです。
高知高専4年生・大黒響さん:
「実際にこういうものがあったというのを後世に伝えたり、今いる人に知ってもらえるきっかけになればいいと思って作っています。ユーザーが使いやすいようなシステム作りを目指していければと思っています」
南国市教育委員会・岡上萌子 主幹:
「南国市教委としてはありがたい限り。それ(木造掩体)を見られるようにすることによって、地元の方、内外の方にも関心を持っていただける取り組み。一緒にできたらと思ってます」
南国市教育委員会は平和教材などへの活用を視野に、ARで木造掩体を見るための看板の設置などを検討していくことにしています。










