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News- 高知のニュース

【南海トラフ地震】高知県内の震度7エリアが拡大 土佐清水市の予想津波高は34.5mで全国最大に

南海トラフ地震の危険性が高まる中、高知県は新たな被害想定を作成するため最新の震度分布や津波浸水予測を10月29日に公表しました。震度7を観測する市町村がこれまでの26から33に増えています。

県は約10年ぶりに南海トラフ地震の被害想定を見直しています。国が2025年3月に公表した新たな被害想定をベースに最新の地形データなどを反映して高知版を作成中です。

29日の検討会では、最大クラスの地震を想定した震度分布や津波浸水予測について県が説明を行いました。

県・南海トラフ地震対策課・伊藤孝 課長:
「県内ほぼ全域で震度6弱以上となり、沿岸域を中心に震度7の領域が広くなっています」

新たな震度分布予測では、震度7を観測する地域を含んだ市町村がこれまでの26から33に変更。県全体のうち震度7を観測する面積の割合は11.7%で5%増えています。

県は県内1万9500本の地質調査データをもとに「地盤モデル」を作成。地質の特性を踏まえて解析方法を見直し、より適切な震度を算出したと説明しています。特に高知市は揺れに弱い「軟弱地盤」の特性を踏まえて解析を行ったところ、震度7を観測する面積の割合が11.6%から35.6%に増加しました。

名古屋大・福和伸夫 名誉教授:
「地盤のモデル化のところがずいぶん精緻になってなっているというふうに感じます。高知県にとっても非常に貴重な成果がまとまったんじゃないかなと思います」

津波の高さは土佐清水市がこれまでの34.4メートルから34.5メートルに上昇し現時点で全国最大に。黒潮町は33.5メートルから33.2メートルになっています。県は津波高の予測に最新の地形や直近の潮位などのデータを反映しているということです。

このほか津波浸水面積は県内全域で前回の1万9253ヘクタールから1万8438ヘクタールに減少しています。浜田知事は「いずれにしても 予測は厳しい状況だと言わざるを得ない。想定死者数を限りなくゼロに近づけることを目指し、全庁を挙げて全力で取り組んでいく」とコメントしています。

名古屋大・福和伸夫 名誉教授:
「地域特性を踏まえた精緻なモデルができたと思ってますので、従来よりも信頼性が高い揺れの評価ができているものと思います。やっぱりこれは事前に対策しておかないと取り返しがつかないぞということを多くの方々にご理解いただいて、具体的な防災対策をしていただくようにするということが重要だと思います」

新たな震度分布や津波浸水予測などは県のホームページで見ることができます。県はこの予測をもとに死者数などを見直し、2025年度末までに最新の被害想定を公表する予定です。