ため息が出るような緻密さ《土佐の匠・濱中伸也さんの組子細工》「組子は奥行きのある立体作品」【高知】
2023年12月4日(月) PM7時10分
高知県宿毛市の宿毛まちのえき林邸で開かれている組子細工の企画展。宿毛市在住の組子細工職人で土佐の匠にも認定されている濱中伸也さんが作った31点が展示されています。緻密な幾何学模様は、くぎを使わず木材を「組む」ことで作られています。
こちらの「大判小判」という作品は、濱中さんが初めて平面的な「板」を用いて作りました。打ち出の小づちは、屋久杉の木目を、小判はニガキという木の黄色を生かしました。
新作の「組子座卓」は、杉の一枚板の真ん中をくり抜き組子細工を入れたもの。どこに座っても美しく見えるデザインにこだわりました。
宿毛市から
「素晴らしい。初めて見ましたけど木のやわらかさ、温かみがあって素晴らしい」
また会場には組子を体験できるコーナーもあり、この日大工でもある濱中さんの即席講座が始まりました。
組子細工職人 濱中伸也さん
「子供らに言いゆうがやけんど、ひし形って四角形ながよ。角が4つある四角形は対角線上に弱い。家も四角形から弱いわけよ。対角線上に。揺れる。揺れんために「すじかい」入れて、三角形作る。これも同じ原理で、真ん中で分けたら三角形になる。ひし形が。これやるだけでさっきのアレ(ぐらつき)がなくなって、組むだけで強度が出る」
伝統技術に支えられたアート作品なんですね。
組子細工職人 濱中伸也さん
「組子は平面ではなく、奥行きのある立体作品。ぴったり前で見るのと離れて見るのと、斜めで見るのと、いろんな見え方ができる。それがすごくおもしろいものですね、組子細工って」
この企画展は、宿毛まちのえき林邸で12月24日まで開かれ、週末には音楽イベントも開催されます。