ソウダガツオ豊漁で宗田節づくり大忙し…香り豊かな新たな加工品も登場【高知】
2023年4月17日(月) PM6時20分
高知県土佐清水市では、宗田節の原料でメジカとも呼ばれるソウダガツオが今シーズン豊漁となっています。宗田節の加工場は久しぶりの豊漁に沸いています。
たけまさ商店・島谷真矢さん
「お陰様で10年ぶり以上の豊漁」
メジカの豊漁に喜びの声をあげるのは、土佐清水市のたけまさ商店のスタッフです。今年で創業111年。伝統的な製法で宗田節を作り続けています。
土佐清水市では、宗田節の原料となるメジカが1991年度のピーク時には、年間1万5千トンほど取れていましたが、その後漁獲量は減り、2020年度には614トンまで落ち込んで、記録的な不漁に。ただ、今シーズンは、2月から回復の兆しがあり、先月は1586トンの水揚げがありました。
加工場も人手を増やして宗田節作りに励んでいます。こちらは、節をいぶす作業です。大月町産のカシの木など「ボサ」と呼ばれる薪に火を付け、茹でて骨など余分な物を取り除いた身を、じっくりといぶして行きます。
たけまさ商店・島谷真矢さん
「風向きによって右・左・奥・手前に行く。確認しながら次のボサ(薪)を入れる所を決めていく」
長年の勘が必要になる難しい作業作業です。長い時には、1日9時間、1週間から10日間いぶし続けます。そうしてできたのが、カラカラに乾いた宗田節ですが、ここからあと一息。
潮風と太陽に1日あてる天日干しです。この最後の仕上げで味が決まります。
たけまさ商店はそんな宗田節を使った新たな加工品を先月から販売しています。それが「Dashi Pota」。宗田節のだしを使ったポタージュのもとです。土佐清水産の宗田節の粉末にガーリックやチキンパウダーを加えたもので、お湯を注ぐだけで濃厚なポタージュが完成します。
澤村栄治記者
「宗田節のいい香りがします。濃厚なポタージュに負けない宗田節の香りと旨味があります。おいしい!」
このように新たな展開を見せている宗田節。島谷さんはメジカの豊漁にこんな期待を寄せています。
たけまさ商店・島谷真矢さん
「10年ぶりの豊漁ですが、豊漁が来年・再来年続けば、土佐清水もメジカ(節)の製造が盛り上がると思う。豊漁が続けば、漁師も増えてくると思うので、取れることを祈っている」