「知る人ぞ知るような素材をビールに…」人気クラフトビール醸造所に15日ビアスタンドが誕生
2023年4月13日(木) PM6時59分

高知県香美市香北町の国道沿いにたたずむビール醸造所「高知カンパーニュブルワリー」です。ユズや文旦などの県産食材を使ったクラフトビール「TOSACO」を作っています。
「かんぱーい!美味しいー」
代表取締役・瀬戸口信弥さん36歳です。人を笑顔にするビールを作りたいと5年前、大阪から香美市に移住しました。
当初は、土佐山田町で生産していましたが、人気の高まりを受け、1億6千万円かけ醸造所を移転・新築。年間にこれまでの4倍の36万本を生産できます。
ビール作りにはある信念がありました。
瀬戸口信弥さん
「高知県全域から“素材ハンター”のような気持ちで面白い素材を発掘してビールに変えていく」
醸造所の入り口にはビアスタンドがあり、9種類のTOSACOを楽しめます。
こちらのビールには、日高村産のフルーツトマトが、そして、こちらのビールには、土佐市産の文旦が使われています。
オープンを前に地元の友人3人が招かれ、試飲しました。
「めっちゃおいしい」
Q:トマトの感じは…
「します。かすかに喉の中に残る感じがするめちゃめちゃおいしい」
ビールが好きではなかったと言う女性は…
「TOSACOを最初に飲んだ時、苦みががんとくるわけではなく、香りがきたり口の中に味わいがあり、これやったら全然いけると思い飲んでいる」
物部川や山々を眺めながらのビアガーデンは最高です。さらに、開発に苦労した変わり種がこちら。
瀬戸口信弥さん
「これがカヤの木の実。大きくなるとドングリの実よりちょっと大きいサイズになる」
カヤの木は、将棋や囲碁の盤に使われる高級木材ですが、その実はほとんど活用されていません。しかし、瀬戸口さんは、その香りに注目しました。
瀬戸口信弥さん
「グレープフルーツ木の香り、レモングラスハーバルな複雑なけどすごく爽快感がある」
玉井新平記者
「アロマ的なリラックスするような香り」
瀬戸口さんは1年間試行錯誤し、カヤの実を使ったビールを完成させました。
玉井新平記者
「爽やかな口あたり自然の清々しさが頭の中にふわっとイメージできた」
「森が見える おいしい」
瀬戸口信弥さん
「あまり光が当たっていないが、光の当て方次第ではすごく魅力を放つものは高知県の中でたくさんある。その中で特に“カヤの実”はビールという形にすると、世界でも初めての味わいが実現できた」
注目されていない食材に光をあてたい…。その目は、こんなものにも向けられました。
ビール醸造工程で大量に出る“麦芽かす”です。
瀬戸口信弥さん
「これを牧場で家畜のエサとして使っているが、これを使ってパンやクラッカーを製造している」
麦芽かすを使った「モルト粕入り自家製カンパーニュ」をいただきました。
玉井新平記者
「風味が確かに豊かさくっとした歯触りが良い」
ビアスタンド・山田紗規子店長
「焼き上げがハードパンなので外回りがかため、中がもちもちの食感、そこにモルト粕が入ることで風味が増し、モルト粕のプチプチとした食感もとてもおいしい」
瀬戸口さんは桜やグリーンレモンを使ったビールを試作中です。
瀬戸口信弥さん
「これまでは地元の小さい市場であまり知られずにでも、知る人ぞ知る素材を自分がビールに変えることで、魅力を再発見してもらえる商品を届けたい」
県産食材の可能性に光をあてるTOSACOの醸造所のビアスタンドは、あさって(15日)午前11時にオープンします。