学校遊具の老朽化が深刻、 さびてぼろぼろ『使用禁止』で3年間放置も・潮江南小の現状【高知】
2023年3月29日(水) AM11時00分
創立50年を迎えた高知市高見町の潮江南小学校です。春らんまんの校庭には40年前に設置された大きな複合遊具があります。
しかし、「遊具使用禁止」の張り紙が。
玉井新平アナウンサー:
こちらのスロープはかつて青色だったが、塗料がなくなり滑れる状態ではありません。その横の子供たちが掴んでのぼる格子状のチェーンも完全にさびついています。ジャングルジム状の台の裏側は塗料が一部剥がれ落ち、内部の腐食が進んでいます
この大型遊具は3年前、市の点検で老朽化により危険性が高いと判断され、使用禁止となったのです。
中川弘子校長:
すごく子供たちが大好きな遊具で、一番使っていた遊具だったのでとても残念に思った
高知市は2022年7月から11月にかけ市内の小中学校など50校で遊具の一斉点検を実施。この結果、6割近くの29校で計55基の遊具が老朽化などにより「使用できない」と判断されました。
しかし、こうした「危険遊具」はなかなか撤去できない現状があります。
中川弘子校長:
使えない遊具がその場にあるということもすごく危ないこと。せめて撤去だけでもと思ったが、なかなか予算面もあり進まなかったのが現状
潮江南小学校の遊具は撤去費用だけで70万円。新しく設置すると数百万円かかると試算されているのです。
中川弘子校長:
(市の教育委員会に遊具を撤去してほしいと伝えると)すぐには難しいという返事を頂いた。市の予算がひっ迫していたことも分かっていたのでなかなか無理も言えず
この結果、潮江南小学校では大型遊具が使用禁止のまま3年間、放置された状態となっています。「このままではいけない」と立ちあがったのが地域住民でした。
楠瀬紹秀さん:
ここからみんなが滑ってくる
潮江南小学校の卒業生、楠瀬紹秀さんです。
楠瀬紹秀さん:
私もこの遊具で育ってきた卒業生の一人。遊具で成長する姿、子供が遊ぶ姿が見たい
地域の有志が集まり遊具を新設することに。2023年1月からクラウドファンディングで300万円の資金を集めています。
潮江南小学校の向かいにある居酒屋です。店内のメニューの表紙には、クラウドファンディングへの協力を呼びかけるチラシが。
居酒屋まもちゃん・北村護店長:
未来の子供たちのためにみんなが協力したら良い。みんな1人1人の気持ちがないと絶対に無理なこと。その気持ちをぼくからも発信していこうと
チラシには潮江中学校の生徒が描いた、新しい遊具をイメージしたイラストが。地域の30店舗以上がこのチラシを張ったり募金箱を設置したりと支援の輪が広がっています。
この動きを知った潮江南小学校は。
中川弘子校長:
こんな遊具にしたいという希望もたくさんもらった。子供たちには地域の方に支えられて本校があるということ、子供たちには愛されていることを伝えていきたい
老朽化した大型遊具は撤去だけで数十万円かかり、学校の予算では難しいといいます。新しく設置する場合は、数百万円かかり、なおさら難しいのが現状です。
市の予算に頼らざるを得ませんが、遊具の撤去や新設は多くの学校が求めていて、市は限りある予算で対応しきれないのが現状。そうした中で潮江南小の地域の支援はこうした問題を解決するモデルケースになるかもしれません。
クラウドファンディングの目標金額は300万円で4月1日が期限です。3月27日は169万4千円に対して、28日午後6時の時点で179万5千円と10万円ほど増えていますが、100万円以上足りていません。詳しくは潮江南小学校50周年記念事業実行委員会(080-4033-3705)までお問い合わせください。