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News- 高知のニュース

移転か補強か-室戸市庁舎をめぐり住民投票へ「津波を甘く見るな」「産業振興に予算を」【高知】

室戸市初となる住民投票の期日前投票が13日始まりました。市役所をめぐり住民は2択を迫られています。

植田壮一郎市長
「津波の来ない高台に移転し新しい庁舎を建てる」
久保田浩さん
「現庁舎の耐震改修、防災機能の移転で十分ではないでしょうか」

40年前に建てられた室戸市役所です。外壁の一部が崩れ鉄骨がむき出しに。南海トラフ地震で倒壊する恐れがあり、最大3メートルの浸水も想定されています。このため、植田市長は庁舎の高台への移転を訴えてきました。

植田市長
「津波の来る場所に庁舎を置くのか?これからの若者が、子供や孫たちがしっかりと安心して生活していける拠点施設にしていくべき」

市の委員会が移転候補地を探し去年、消防署の裏側の農地とする案をまとめました。

玉井アナウンサー
「室戸市の高台に位置する消防署です。海抜18・9m。津波の浸水が想定されていない場所です。移転候補地は駐車場の裏の農地、荒れ地と化しています。近くには室戸高校があります。その横では工事が進められ室戸警察署が移転する予定」

しかし、この移転案に反対する住民もー。市の元職員で介護施設で勤務する久保田浩さんです。反対する理由は市が試算した47億円に上る移転事業費にありました。

久保田浩さん
「燃油、物価高騰で一次産業、農業、水産業は本当に困っている。産業振興に対して今は予算を使うべき」
「市役所だけが残り住民がいない。そんな町になると心配している」

久保田さんは今の庁舎を耐震補強し、防災機能のみ高台に移転する案を主張。1700人の署名を集め住民投票で決める条例の制定を市に請求しました。

この結果、室戸市政64年で初となる住民投票の実施が決まりました。

先週土曜日(11日)、市役所で住民説明会が開かれ30人が出席しました。移転案に対し住民からは不安の声がー。

「この物価高。キンメダイは何倍の値段になっていることかご存じですか?市民の手に届いている状態ではない。それなのに、こういう問題、お金がいることが出てきたら市民として受け入れがたい」

植田市長
「後々の負担が大きく残って財政が破綻することのないような計画をしっかり立た上で動いていくことが前提」

一方、移転案に賛成する住民もいました。

「津波を甘くみない方がいい。これから、より室戸市民が使いやすい市役所にした方がいいと思うから」

大きな課題もあります。それが「市民の関心の低さ」です。住民投票の説明会は市内41カ所で開催され出席者はのべ350人に。これは有権者およそ1万人の3.2%にとどまっています。

住民投票は2月19日投開票が行われ、市の条例では「投票率が50%以上の場合、市長と議会は結果を尊重する義務がある」としています。

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