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News- 高知のニュース

「茶わんの湯」から空の成り立ちに迫る! 物理学者・寺田寅彦が見た世界とは【高知】

「天災は忘れられたる頃来る」という有名な言葉を残した県出身の物理学者、寺田寅彦の企画展が高知市で開かれています。

高知県立文学館で開かれている企画展「ふしぎいろいろ展」。物理学者でありながら随筆家でもあった寺田寅彦が残した随筆や資料など85点を展示しています。

発表から100年となる科学随筆「茶わんの湯」は寅彦の代表作です。

「ここに茶碗が一つあります。中には熱い湯が一ぱい這入っております。」
「第一に、湯の面からは白い湯気が立っています。」
「これはいうまでもなく、熱い水蒸気が冷えて、小さな滴になったのが無数に群がっているので、ちょうど雲や霧と同じようなものです。」

たった一杯の茶碗から空の成り立ちの秘密に迫り、物理や科学の世界を飛び越えた豊かな発想力が感じられます。

こちらは藤の花が枯れた後になる「藤の実」です。

(矢野愛優 記者)
「実際に触ってみるとすごく、かたいんです。表面に短い毛があるので、なめらかな触り心地となっています」

「藤の実」について寅彦が観察した際の直筆のメモが残っています。

「昭和7年12月13日 宅の藤の実が著しくはねた」
「水平飛散距離を仮に10mとみる 初高hを3mとする」

興味を持った寅彦は、すぐに藤の実を観察し飛行距離などを計算していることが分かります。

(県立文学館 川島禎子学芸員)
「不思議だなって思いながら生活している方が、何も感じないで生活しているよりずっとずっと豊かで楽しい。ちょっと立ち止まって自然とか人間の世界の不思議を感じてもらうと世界が色づいたように楽しいものになると思うので、ぜひ色々な方に見て欲しいなと思います」

『寺田寅彦「茶わんの湯」100年「ふしぎいろいろ展」』は高知県立文学館で11月20日まで開催されています。

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