ダム湖から旧・大川村役場現る 史上最短の梅雨で水不足の恐れ 貯水率34%まで低下【高知】
2022年6月29日(水) PM7時00分
きのう(28日)わずか15日間という”観測史上最も短い梅雨”が明けたとみられる四国地方。高知県内はきょう(29日)も青空が広がり、最高気温は四万十市中村で33.8℃、江川崎で33.7℃、香美市大栃で33.3℃、本山で32.6℃など16の観測地点のうち12カ所で真夏日となりました。
「もうずっと暑いね。ここ最近からっと夏が来たって感じですね」
空梅雨の影響で6月の総雨量は香美市大栃で平年の29%にあたる104.5ミリ、安芸で平年の33%にあたる93ミリ、本山で平年の44%にあたる140.5ミリなど、22の観測地点のうち9カ所で平年の半分以下に留まっています。雨が少ない影響で深刻な問題に直面しているのが…
(春藤未希子CAMリポ)
「早明浦ダム上空です。ダムに沈んだ旧大川村役場なんですが、いまは屋根の部分が見えてしまっています」
水面から現れたのは早明浦ダムの完成とともに水に沈んだ旧・大川村役場です。渇水のため6月21日から屋根が見えるようになりました。建物が水面から顔をのぞかせるのは2019年3月以来3年ぶりです。昨年末から雨の少ない状況が続き、梅雨も短かったため、ダムの貯水率はきょう午後2時時点で34.9%と、平年に比べて50ポイント以上も低くなっています。
早明浦ダムでは6月5日から香川と徳島への供給量を35%削減する取水制限を行っています。高知への供給は全体の2.3%と、もともと少ないことから取水制限は計画されていません。
四国地方整備局・阿部勝義課長
「これが平成6年・17年・20年(の渇水)でございますけども、それよりも早いタイミングで早明浦ダムの貯水率が下がっている状況ですね」
貯水率の急激な低下を心配しているのは、渇水対策を担当する四国地方整備局の阿部勝義課長です。
四国地方整備局・阿部勝義課長
「7月の頭には30%を切っていくような状態だと考えています。さらにそれから雨が降らなければ、7月の中旬ごろには利水容量を全て使い切ってしまう」
貯水率が30%を切れば取水制限をさらに強化し、徳島と香川への供給量を50%に減らすことになります。
気象庁によりますと県内では来週月曜日に雨の予報が出ていますが、貯水率が回復するほどの雨にはならず、厳しい状況が続く見込みだということです。