独自の「視点」で切り取った写真展、最優秀作は6枚の組み写真でウクライナ侵攻を風刺・高知県立美術館
2022年6月21日(火) PM5時00分
シンガポールで撮影された1枚。建物から突き出るように干された大量の洗濯物の様子を切り取った写真で、タイトルは「雨あがり」です。
6月21日から高知市の県立美術館で始まったのは公募写真展「視点」です。プロ・アマ問わず様々な視点で切り取られた写真147点が秀逸なタイトルとともに展示されています。
船、雲、木など1枚1枚で見ると何気ない写真に見えるこちらの作品は最優秀賞に当たる「視点賞」を受賞しました。実は6枚でひとつの作品となる「組写真」でウクライナ侵攻を風刺しています。船は軍艦、雲はキノコ雲、少女の眼元に当たる一筋の光は涙にも見えます。
「視点」副委員長・佐藤健治さん「(木も)血管みたく見えませんか」
記者「細い所が毛細血管のように…」
佐藤さん「なかなかそういう風に思いつかないですけど(船や雲など)いろんなものを撮って合わせて危ない時が近づいていることを表している」
中には高校生が撮影した作品も。川に飛び込んでこの表情!そしてせせらぎが聞こえてきそうなこの写真。こちらも4枚を合わせた組写真です。静岡県を流れる源兵衛川の夏の風景を切り取っています。
「視点」副委員長・佐藤健治さん「ハトが飛んでいる写真は夏を表す写真ではないですけれども、こういう4枚の中でこれが入ることによって何気ない写真が(夏の景色として)活きてくる」
ほかにも、まるで人間のような仕草を見せる動物たちなどユニークな写真も楽しむことができます。全国公募写真展「視点」は6月26日まで高知市の県立美術館で開かれています。