米の価格高騰で学校給食がピンチ「綱渡り」で米を確保、パンが増える可能性も・給食費は年1万円ほど値上げへ【高知市】
2025年3月17日(月) PM7時25分 <PM7時31分 更新>
国民の暮らしを大きく圧迫している歴史的な米の価格高騰。その影響は学校給食にも及んでいます。給食用の米を確保するため「綱渡り」の状態が続く高知市の現状をさんさんテレビが独自に取材しました。
高知市立の小中学校などで給食が出ているのは現在60校です。国が「米飯給食」を進めてきたことから、高知市でも週4回ほどは主食がご飯になっています。
その米を確保しているのが高知市から委託を受けた高知市学校給食会ですが、米不足と価格高騰のあおりをもろに受け、米の確保が厳しくなっていると言います。
高知市学校給食会・藤崎元司事務局長:
Q.今現在、どれ位分のお米がある?
「4月ですね、4月分まで」
給食用の米は例年10月に行う入札で翌月から翌年の7月分までの米を確保しますが、米不足と価格高騰で入札が去年10月以降、成立していないといいます。
高知市学校給食会・藤崎元司事務局長:
「実際には(業者が)入札に参加するのはいま現在も難しい。」
Q.(米の)確保の確約ができないから?
「そういうことです」
Q.綱渡り?
「綱渡りです。本当に綱渡りで、なんとか来月分、次月分、次々月分をなんとか確保しながらやってきている状況。」
業者が米を確保できず、入札が成立しない状況。このため高知市学校給食会はその都度、米を納入できる業者と1、2カ月ごとに随意契約を結び、米を確保してきました。地産地消の観点から県内産の米を優先的に入札してきましたが、県外の米も検討しています。
高知市教育委員会 食育担当・上田俊江管理主幹:
「まずは安定的に給食を提供するために、米を確保しないといけない。ですけれども県産米とか地場産物を使用することもあきらめたくない。お米屋さんとか給食会とか、関係するところに今の動きでどこまでできるのか、常に情報をもらいながら検討している。」
米の価格高騰を受け、国は備蓄米の放出を決めましたが、高知にどれほど流通するかわからず、このまま米の確保が厳しい状況が続けば来年度は学校給食にパンや麺類などが増える可能性もあるといいます。
現在、指定の6事業者と密に連絡を取り米の確保に奔走している学校給食会。4月上旬には業者から5月以降に出せる米を提示してもらうことになっています。
高知市学校給食会・藤崎元司事務局長:
「(令和)7年産米の確保にこれから各業者さんが移っていく。理想的にいえば県産米を確保できるか、どうやれば確保できるのか、ご相談しながら、できれば1年分の数量が確保できれば。今まで通りは難しいかもしれませんが、一定の価格で安定するのが一番ありがたい。」
主食の米をなんとか確保したい学校給食会。
一方で、高知市は米だけでなく食材全般の価格高騰のため、4月からの給食費を年間1万円ほど値上げすることを決めています。高知市は「今の水準の給食を子どもたちに提供するため」として値上げを含め市民に理解を求めています。