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News- 高知のニュース

アフリカ西部の貧困国から高知へ ファイティングドッグス・ラシィナ選手11年目の決意

サッカーの高知ユナイテッドが盛り上がっていますが、こちらも負けていません。四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスは開幕戦までおよそ1ヵ月。入団11年目、故郷への思いあふれる海外出身選手に注目しました。

おととい春野球場で行われた高知ファイティングドッグスと埼玉西武ライオンズ2軍3軍の交流戦。ヒット15本を放ち西武を圧倒する高知FD。レフトを守っていたのがアフリカのブルキナファソからやってきたサンフォ・ラシィナ選手27歳です。今は佐川町にあるチームの寮で生活しています。

「お願いします」
ラシィナ選手は在籍11年目を迎えるベテランです。

故郷のブルキナファソは人口が2300万人、アフリカ西部の貧困国の一つです。野球との出会いは11歳の時日本から来た青年海外協力隊の人にバットやグローブをもらったのがきっかけでした。それまでは野球という競技があることさえ知らなかったといいます。

サンフォ・ラシィナ選手:
「最初ブルキナでもらったときは金属のバットだったのでこれなんの棒だろうなって思ったんですけど。新しい刀の形かなって」
Qどんな感じで最初やったんですか
「持ち方も分からないのでこんな感じで持ちました。こうやって振ってました」

学校が終わるとよく友人と公園で野球をして遊んだというラシィナさん。荒れ地のようなグラウンド。ホームベースは自分たちで木を削って作りました。

サンフォ・ラシィナ選手:
「僕が(ブルキナファソで)住んでいたおじいちゃんのところ(家)は大人数で住んでいたので結構狭かったですね」

大好きな野球を続けたい、外国で働いて家族を助けたい。そんな思いからNPBのプロ野球選手を目指して1万3千キロ離れた日本にやってきたのは15歳の時でした。

2014年・来日した時の練習の様子。翌年練習生として高知FDに入団します。

ラシィナ選手(16歳)
「(フランス語)全てを改善したい。全てのメニューを消化してレベルに達するように頑張りたい。(日本語)プロ野球選手になるためにがんばりましょう」

2022年にはキャプテンとしてリーグ総合優勝を経験しました。
キャプテン サンフォ・ラシィナ選手:
「長年できなかった総合優勝きょうしました。皆さんのおかげです。ありがとうございます」

今では部屋にバットやユニホームが並び野球一色の生活を送るラシィナ選手です。四国アイランドリーグplusで最多打点やベストナインのタイトルを獲得する選手にまで成長しました。

日本の生活や言葉にも随分慣れました。

サンフォ・ラシィナ選手:
「栄養とかそこまで気にしないですけど、せめて体調を壊さないようにだけは」

ブルキナファソの家族とはもう何年も離ればなれです。

サンフォ・ラシィナ選手:
「僕の給料じゃそんな大したことできないので、たまに弟とかにお小遣いを送っているくらいしかない」

わずかな給料から仕送りを送っているといいます。
サンフォ・ラシィナ選手:
「向こうでやっぱ心配かけてくれる人がいるだけでうれしいですね」

定岡智秋監督はラシィナ選手をまわりの選手に進んでアドバイスができるチームの中心的存在だと評価します。

高知FD定岡智秋監督:
「(自分の)右腕みたいなもんですよ。彼11年目、僕12年目。選手終わったら永久欠番にせないかんね」

おとといの交流戦では6回から試合に出場。全力疾走もかなわず出塁できませんでしたが、
チームは15安打と相手投手を翻弄。チームは7対3と西武を突き放しました。11年目のシーズンに向けてラシィナ選手の意気込みは…

サンフォ・ラシィナ選手:
「優勝ですね。ファンの方々に喜んでもらえるのはチームで優勝ですね」

さらに長年の日本生活を経て、今ではこんな目標もできました。

サンフォ・ラシィナ選手:
「できたら誰か僕の背中を追って、一緒に野球やりたいとなと思っているんですけど、何とかブルキナの野球を発展させたいなと思っています」

人生をかけて故郷の家族を思いながらの高知での生活。ラシィナ選手11年目の挑戦、開幕戦は3月30日です。

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