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News- 高知のニュース

高知県立美術館が調査の経過報告 油彩画「少女と白鳥」“贋作”の可能性が高まった【高知】

2024年6月贋作との疑いが浮上した高知県立美術館所蔵の油彩画「少女と白鳥」について、7日、美術館が調査の経過を報告し「贋作の可能性が高まった」との見解を示しました。

高知県立美術館がおよそ30年前に1800万円で購入した油彩画「少女と白鳥」。作者は1900年代前半に活躍したドイツの画家ハインリヒ・カンペンドンクといわれています。ところが2024年6月、この作品が贋作画家として世界的に知られていたドイツ人のヴォルフガング・ベルトラッキ氏が描いたものという疑惑が発覚。美術館が京都大学の専門家に依頼し10月から科学的な調査を進めてきました。

高知県立美術館・安田 篤生館長:
「残念ながら可能性としては贋作であることが高いと今の時点では言える」

作品に使われた絵の具には“本物が制作された”とされる1910年代には一般的ではない成分「銅」や「チタン」が入っていることが判明。この絵の具はベルトラッキ氏が贋作制作でしばしば使っていたということです。

また作品の裏側に貼られている「来歴」と呼ばれるラベルには、ドイツの著名な画商が所蔵していたことが記されていますが、これがベルトラッキ氏による偽造だとわかりました。ベルトラッキ氏の贋作には同じ形式の偽造ラベルが複数確認されています。

この絵は1995年に名古屋の画商が世界で最も歴史が長いオークション、クリスティーズで落札し、翌年美術館が購入しました。

しかし、そもそもカンペンドンクの「少女と白鳥」は制作したという文献はあるものの写真は残っておらず本物を“誰も知らない”作品でした。

高知県立美術館は3月上旬に専門家の最終報告書を受けてから作品が本物か偽物か判断した上で、年度内に結果を公表する予定です。