『何不』文字の意味は…南国市の《土器ミステリー》 日本最古級の文章か【高知】
2025年2月6日(木) PM7時49分 <2月7日 PM12時34分 更新>
日本の歴史を変えるかもしれない大発見!高知県南国市で出土した弥生土器の破片です。表面に文字が刻まれていて『日本で最も古い文章』の可能性があります。さらに作られた場所が謎なんです。
県立埋蔵文化財センター・久家隆芳チーフ:
「こちらが漢字が刻まれた可能性のある土器になります」
弥生時代後期から古墳時代初めごろのものとされる土器の破片。大きさは10センチ程で、つぼの一部とされています。
県立埋蔵文化財センターが2018年度に行った発掘調査で、南国市篠原にある「若宮ノ東遺跡」から出土しました。
土を洗い流しているときに複数の線があることに気づき、国立歴史民俗博物館の平川南元館長に鑑定を依頼したところ、2024年9月に驚きの結果がー
『文字・文章が書かれている可能性』
漢字2文字が刻まれているのですが分かりますか?
上が「何」で、下が「不」。「何」は一部が欠けていて今使われている漢字とは形が違ったようです。
ヘラのような工具を使って「とめ」や「はらい」を意識して書いたとみられています。「何ゾ不ル(なんぞざる)」と読む、いわゆる漢文の反語表現で、どうして〇〇しないのかという意味。
ただ「何」と「不」の2文字だけでは文章になりません。つぼの大きさなどから最大7文字が記されていたと考えられています。
久家隆芳チーフ:
「大変驚きましたね。漢字が一般的には使われていない時代になりますので、大変珍しい史料になる」
列島内で複数の文字を使い文章を記したとされるのは5世紀以降。日本最古級の文章である可能性を秘めています。
高知大学の宮里修准教授は朝鮮半島などから海を渡ってきた人たちが、今の高知に立ち寄った際に土器に文字を書いたのではと話します。
高知大学 考古学専門・宮里修 准教授:
「焼く前に書いているので土器を作っている現場で文字を書く人(渡来人)がいて、刻んでもらった。粘土って(土地土地で)色とか混ざっているものが違うんですね。地元のものに似てるっていう話なので、近くでとった粘土ということになると高知で土器を作ったということになる」
弥生時代、県内最大規模の集落だったといわれる「若宮ノ東遺跡」。県立埋蔵文化財センター・久家チーフは謎の解明に期待を寄せています。
久家隆芳チーフ:
「漢字文化の浸透であったりとか、導入であったりとか、そういう研究が進展する一つのきっかけになったらいいかなと思っています」
この土器は県立埋蔵文化財センターで2月7日から2月28日まで展示されます。