日向灘でM6.9の地震《室戸岬と土佐清水で10センチの津波》評価検討会は「調査終了」【高知】
2025年1月14日(火) PM7時32分
1月13日夜、日向灘を震源とする強い地震が発生し、気象庁は南海トラフ地震との関連を調べる評価検討会を開催。南海トラフに影響はないとして「調査終了」を発表しました。
県内沿岸には一時、津波注意報が出され、沿岸の市町村に避難指示が出されましたが、「調査終了」を受ける形で解除され、被害はありませんでした。
宿毛市民(男性):
「ちょうどお風呂に入ってまして、横揺れですね。湯船も揺れてる感じで」
宿毛市民(女性):
「30秒から20秒ぐらいの間ちょっと揺れたように感じました」
13日午後9時19分ごろ日向灘を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生。宮崎市などで震度5弱を観測。県内は宿毛市と黒潮町で震度3、高知市や四万十市などで震度2となりました。
地震発生から10分後の午後9時29分には高知県の沿岸に津波注意報が発表され、室戸岬で午後10時17分に10センチ、土佐清水で午後10時21分に10センチの津波を観測しました。
その後、午後11時50分に津波注意報が解除されるまで県内では沿岸の19市町村に避難指示が出されましたが、いずれの市町村も避難所は開設しませんでした。
このうち黒潮町では役場に車や徒歩で7人が一時自主避難しました。黒潮町では南海トラフ地震臨時情報の「調査中」が発表されたことから避難所開設の準備に入りましたが、その後「調査終了」となったことから結果的に避難所は開設しなかったということです。
震度3を観測した宿毛市ではー
宿毛市民(男性):
「南海地震があるという前提なので、これ以上強い揺れがくるかどうか心配しながら動くに動けなかった状態ですね」
宿毛市民(女性):Qどんな対応を?
「とにかく津波がくるかどうかっていうのを報道機関のほうで知ろうと思いまして、ずっとテレビをつけていました」
この地震を受けて気象庁は午後10時前に「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表。南海トラフ地震との関連を調べる評価検討会を開きましたが、モーメントマグニチュード7.0に満たない地震で南海トラフに影響はないとして午後11時45分に調査を終了しました。
気象庁 発表:
「今回起こった地震はですね。南海トラフ地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる現象ではなかったという判断になりました」
気象庁の評価検討会が「調査終了」を発表したころ高知県庁では…
鍛冶屋明香アナウンサー:
「南海トラフ地震との関連はないとのことで、評価検討会は終了しました。そして、県内全域で津波注意報が解除されました」
県庁では各部局の連絡担当者およそ20人が集まり情報収集に追われました。
「南海トラフ地震臨時情報」とは巨大地震発生の可能性が通常と比べて相対的に高まったと評価された場合にとるべき防災対応がわかりやすいように気象庁が発表する情報です。
今回のように防災対応をとる必要をなしとする「調査終了」のほか、「巨大地震警戒」や「巨大地震注意」などのキーワードを付けて発表。2024年8月は「巨大地震注意」でした。
今回「巨大地震警戒」や「注意」などの臨時情報が出なかったことについて県民はー
高知市の男性:
「安心しましたね。準備してるっていってもお水とお風呂にいつも水を貯めているとか、あと昭和の家なもんで耐震補強したとか、その辺だけなもんで。備蓄とかそういうのもあんまり十分じゃないから一抹の不安を感じますけどね」
地震から一夜明けて…
中川哲記者:
「高知市のホームセンターに来ています。こちらの店舗では入り口のすぐそばに防災グッズのコーナーをけさ構えたということです」
このホームセンターでは関西・淡路大震災からまもなく30年を迎えることから防災グッズのコーナーを拡充。13日の地震で防災グッズの需要が高まることを見込んで発注を見直す方針です。
ブリコ桟橋店・楠瀬淳司アドバイザー:
「水、食料を求める方が比較的多いかと思いますが、水、食料というのは揺れた瞬間に必要なものではありませんので、揺れ対策の家具の転倒防止用品なんかは追発注をしたと聞いています」
今回は「南海トラフ地震臨時情報」の「警戒」や「注意」は出ませんでしたが、これで巨大地震の心配がなくなったわけではありません。気象庁はいつ大地震が起きても不思議ではないと普段から意識し、日頃からの備えを進めてほしいとしています。