産科の医師不足深刻…分娩に特化した大規模施設《こうのとりセンター》創設を「このままでは大変なことに」
2024年7月22日(月) PM7時33分
産科の医師不足が課題となる中、高知県医師会が分娩に特化した大規模施設「こうのとりセンター」の設置を浜田知事に提言しました。
高知県医師会 野並誠二会長:
「高知県の周産期(医療)このままでは大変なことになる」
県医師会によりますと県内にある10の分娩施設のうち2つの施設では、医師1人が年間で330人から433人の分娩を担当しています。
南国市のJA高知病院では医師不足を理由に今年(2024年)10月から出産の受け入れを休止することを決定。県内の病院としては15年ぶりの休止です。ただ、妊婦検診・婦人科検診は引き続き行うとしています。こうした深刻な医師不足を受け、県医師会は去年(2023年)11月から検討委員会を開催。今回、「リスクの少ない分娩」のみに特化した大規模施設「こうのとりセンター」の創設などを含む提言書を浜田知事に提出しました。「こうのとりセンター」で県内の分娩を集約化する一方、妊婦検診などは分娩を扱わない施設が行い、産科医の負担を減らす狙いです。
また中山間地域に住む妊婦の交通手段の確保など「県内で安心して出産できる仕組みを早急につくってほしい」と訴えました。
高知県医師会 野並誠二会長:
「正常分娩が高知でできない、特に山間地域では全くできない状況になろうとしてます。まずは県民のみなさまが安心して子育てができる環境をみんなでつくっていく、そのことが一番大事なんじゃないかと考えています」
浜田知事は「5年、10年を展望すると機能の集約化の検討は避けられない」とした上で「秋ごろにはおおよその方向性を集約する」としています。