《伝統の灯を絶やさない》600年続く「赤野獅子舞」コロナ乗り越え復活 祭り直前…練習に励む子供たち
2024年7月18日(木) PM7時53分 <7月19日 PM12時24分 更新>
高知県安芸市の赤野地区で受け継がれてきた伝統芸能「赤野獅子舞」。一度は消えかけた灯が若者の情熱で復活です。祭り本番にむけての練習は熱気にあふれていました。
太鼓のリズムに合わせて繰り広げられる独特の舞。安芸市赤野地区で600年の歴史を誇る「赤野獅子舞」です。毎年7月の夏祭りと10月の秋祭りで奉納していて、高知県の保護無形民俗文化財に指定されています。
赤野小学校の体育館で週2回、地元の小学生を中心に園児から大人まで28人が来週月曜日(22日)と火曜日(23日)に行われる夏祭りに向けて練習に励んでいます。
「赤野獅子舞」に登場するのは眠る獅子と獅子をからかう子「テガイコ」。寝ていた獅子が起こされて暴れだし、テガイコとの格闘が始まります。酔っ払いを演じたり、どじょうすくいをしながら獅子をからかうテガイコのユーモラスな表情や動きで笑いを誘います。
真剣な表情で太鼓をたたく地元、赤野小6年の有光健君。
有光健君:
「最初のほうはみんな動き間違えてないかなとか見ながらたたきゆうけど、最後の方は疲れてああ疲れたと思いながらたたいてます」
先輩指導:
「もし間違ってもパンパンパン、ドロドロドロって合わせないかん」
有光健君:
「合わせるのむずい」
去年(2023年)11月から練習を重ねてきました。
有光健君:
「ここにもきのうマメができた。ここにも」
「最後までやったら本番とか見てくれる時も観客が大きな拍手をしてくれたりするのでうれしいから、最後までやりきりたいです」
担い手不足のため去年(2023年)からは地域の外からも参加者を募集していて、テガイコの小松世奈君は同じ安芸市でも、土居地区からの参加です。
土居小3年 小松世奈君:
「リズムに乗るみたいなところが好き」
Q「乗ったらどんな気持ちになる?」
「楽しくなる、他のうまい人見てそれを見習っています」
そんな子供たちの思いを聞いて代表の有光新五さんは…
赤野獅子舞保存会代表 有光新五さん:
「子どもの熱意がすごい、やる気が全然違うんで大人が負けてしまうこれは」
かつては赤野地区の6つの集落が持ち回りで奉納してきた赤野獅子舞ですが、人口減少により継続が困難に。9年前に赤野獅子舞保存会を立ち上げ、地区全体で続けてきましたが、新型コロナが追い打ちをかけ4年間に渡り活動休止を余儀なくされました。
赤野獅子舞保存会代表 有光新五さん:
「赤野で獅子舞がなくなっ誰かが寂しい気持ちになるやったらどうにかしようと思って若い子に声かけましたね。数名がやるって声をかけてき去年なんとか開催できた」
逆境が赤野の青年たちの心に火をつけました。
赤野獅子舞保存会代表 有光新五さん:
「若い子らはインスタとかフェイスブックとかで発信してくれたり、今までにやってないことを始めたり、コロナで中止になってすごいプラスになった面は結構ある」
若手が復活させた去年(2023年)の舞を見て今年(2024年)新たに15人の子供たちが加わることに。
赤野小3年生岡崎たきのさん、初めて祭りに参加します。実は、獅子舞の女性の参加はおよそ70年ぶりです。
赤野小3年 岡崎たきのさん:
Q踊っててどう?
「楽しいです。暑いだけ。」
赤野小3年 吉田音葉さん:
「みんなの(舞い)を見よったらやりたくなった。こんなに楽しいがやと思った」
半年以上練習してきた獅子舞。披露する日が近づいてきました。
赤野獅子舞保存会代表 有光新五さん:
「みんな楽しくやってもろうて見た人も楽しい気持ちになれたらそれでいい」
赤野小6年 吉田奏斗君:
「赤野の伝統を守りたいからもっとうまくなって夏神祭みんなに見せたいと思う」
赤野獅子舞の奉納は来週月曜(22日)の午後6時半から大元神社で翌日(23日)は正午から住吉神社で行われます。