没後150年 土佐藩主・山内容堂の生涯たどる企画展「自由奔放、人間的な魅力を感じて」【高知】
2022年10月25日(火) PM6時50分

大政奉還を建白し江戸幕府を終焉に導いた15代土佐藩主・山内容堂。新時代をつくった「英雄」か逆らう者を弾圧した「暴君」か、評価の分かれる個性的な人物です。
県立高知城歴史博物館 歴史担当学芸員 藤田雅子さん
「藩主らしくない自由奔放さ、人間的な魅力がすごくある人だと思う」
没後150年の節目に企画されたこの展示会は、幕末政治の重要な局面に深く関わった容堂の生涯を、直筆の手紙や側近の書き残した日記などおよそ100点の資料で紹介しています。
こちらは容堂が愛用したと伝わる西洋の杯。大酒飲みで知られた容堂は親友の宇和島藩主・伊達宗城に宛てた手紙でもこんな調子です。
「今日は手紙を出すのに良い便があったのを忘れ、観水閣で飲んでおりました。慌てて書きましたのでいつも以上の乱筆乱文、お許しください」
宛名には、宗城の面長を強調した似顔絵を書いていて容堂のユーモアあふれる人柄が感じられます。
こちらの日記には彼の右腕で藩政実務のトップだった吉田東洋が、部下に対し容堂に仕える心構えを説く言葉が紹介されています。
(寺村左膳日記)
「老公(容堂)は非凡な方でこびへつらい、うそや大げさなことを激しく憎まれます。何事もありのまま、ただ正直に勤めなさい」
東洋は容堂の親戚を殴る不祥事を起こし免職となりましたが、実力を認めていた容堂は東洋を再び重要な役職に登用した事も記されていて、その度量の大きさがうかがえます。
県立高知城歴史博物館 歴史担当学芸員 藤田雅子さん
「容堂自身がどういうふうに考えて行動していたか、人となりとかがわかる魅力的な資料をたくさん展示していますので、この機会にどんな人だったか知っていただけたら」
この企画展は10月30日まで高知城歴史博物館で開催されています。