高知初「文化庁メディア芸術祭」 ごんぎつねのアニメやAIによる植物図、新感覚アートも
2022年1月12日(水) PM5時00分
大きな丸い1枚の鏡のように見えますが、心臓の鼓動を振動と音で表現しています。
「文化庁メディア芸術祭」は優れたアートやアニメーションなどの作品を表彰するフェスティバルです。
毎年、受賞作品の展示会が日本各地で開かれていて、高知での開催は初めてです。
展示会のテーマは「ニューツナガル」
コロナ禍における人やモノ、情報などのつながりを考える作品、42点が展示されています。
こちらは17世紀から19世紀のさまざまな作家によって描かれた植物図をAIに読み込ませて作った新たな植物図鑑「Artificial Botany」です。
そばには植物学者・牧野富太郎博士の植物画も紹介されていて、牧野博士生誕の地である高知だけの特別展示です。
こちらのコーナーでは新美南吉の『ごんぎつね』を原作にした短編アニメーション『ごん』の制作過程を紹介しています。
「ストップモーション・アニメーション」というコマ送りで撮影する手法で作られていて、28分の短編ですが、人形と美術制作に1年、撮影期間は10カ月に及ぶ大作です。
『ごん』はアメリカやカナダなどの映画祭でこれまでに70以上の賞を受賞。
1月12日は八代健志監督自らが展示ブースを設営していました。
八代健志 監督「単に正しく世界を表すことは他の手法にもできることで、この手法は現実にあるモノが美しさを持っている。そういう意味で映像ではあるけれど、一度ちょっと戻って美術や工芸やそういう部分が美しく見えないと、(この手法は)存在意義がないんじゃないか」
このほか会場では実際にアートを体験することもできます。
記者リポート「まずこの白い紙にイラストを描きます。続いて、この描いた絵(『さんのすけ』)をスキャンすると…『さんのすけ』が浮かび上がりました」
「絵を描く」というアナログ体験とARが組み合わさった新感覚アートです。
文化庁メディア芸術祭高知展は1月13日から25日まで、高知市文化プラザかるぽーとで開かれます。