水害時に力を発揮「僕1人で46人と1匹救助した」浅瀬もOK!特殊救助艇のデモンストレーション【高知】
2021年6月8日(火) PM7時30分

「ブルルルーン」
直径2メートルほどのプロペラを背負い、轟音を立てて疾走する船。これが水難救助に特化したエアボートです。東京のメーカー「フレッシュエアー」が2011年の東日本大震災以降、より機動力のあるボートを作ろうと改良を重ねてきました。最高速度は時速80キロ。通常は3人乗りですが、大人20人程度の重さに耐えられるため、非常時には大人数を1度に運ぶことが可能です。
前進するためのプロペラが船の上にあるためがれきやゴミなどをスクリューに巻き込む心配がありません。しかも、その場で旋回したりと小回りがきくので、浸水した市街地での救助活動で力を発揮します。
製作した佐々木 甲社長は実際の水害でもエアボートで救助を行っていました。
フレッシュエアー 佐々木 甲社長
「鬼怒川がはん濫した時、(2015年)僕1人で46人と1匹救助した。街中をスイスイ走れるエアボートならでは」
そんなエアボートに特別に乗せてもらいました。
野村舞アナウンサー
「そんなにグラグラしない。安定感があります」
フレッシュエアー 佐々木 甲社長
「合図」
野村舞アナウンサー
「すごい音量!大音量」
乗り心地は快適でした。しかし、驚くのはこのあと。
野村舞アナウンサー
「こんな中洲にまで近づくことができました」
くるぶしくらいまでの水の深さがあれば着岸することができるのです。
フレッシュエアー 佐々木 甲社長
「こういう浅瀬ならどこでもとまれる。そこから脱出するのも簡単」
ちなみに、氷や雪の上も走行可能なんだそうです。
ただ、気になるのがこのプロペラの大音量ですが、佐々木さんはこの音にもメリットはあるといいます。
フレッシュエアー 佐々木 甲社長
「夜(被災地)に行ったらこの音でみんな助けに来た、というので2階の窓開けてパジャマふるわけですよ」
助けに来た合図になるそうです。高知市消防局の職員も試乗に訪れ、性能を確かめていました。プロペラの大音量や後方への風圧などが気になるとはしつつも…
高知市消防局 山本篤史課長補佐
「浅瀬とか普通のボートではいけない所を乗ったまま進めるのはすごい事」
価格は880万円。フレッシュエアーは水害が心配される全国の自治体に売り込んで
いくとしています。