KSS- 第239回 番組審議会議事録
- 日時
- 2021年2月18日（木）10:30～12:00
- 場所
- ちより街テラス会議室
- 対象番組
- ザ・ノンフィクション
おかえりお母さん～その後の「ぼけますから、よろしくお願いします。」～
2021年2月7日（土）13:50～14:45 制作：フジテレビ
議事概要
- 老夫婦が一生懸命に生きている生命力の強さをひしひしと感じました。ハンディカメラで撮った画像はすごく生々しく、ありのままの姿で最初から涙が止まりませんでした。
- お母さんが「撮らんといて・・・」と駄々をこねるシーンでは、それでも撮り続けた娘さんのプロ意識。お父さんとお母さんは嫌がっているのに、この映画を作るんだというプロ根性がすごいと思いました。
- 撮影をしていること自体、メンタルが強くないと無理だと感じながら見ていたのですが、身内が撮っている安心感からか、どの場面でも自然な感情がダイレクトに伝わってきました。
- ナレーションが、すごく良かったと思います。イントネーションも広島弁がちょっと入っている感じで、近くでずっと見てきた人が、穏やかに語るナレーションは、つらい場面でも、その場の空気を和らげた感じでした。全体を通して家族三人の絆がすごく強く、心に残った番組となりました。
- 最期の生々しさ、生を表現しているんだと。とてもソウルフルでいとおしく、でもそこには大変さもある。そのすべてを受け止めたハートフルなメッセージが、とてつもなくいとおしい。彼女が撮るとこんなにも生々しいものが、いとおしくなるのかと思って、本当に引き込まれました。傑作だと思います。
- カメラワークも含め、淡々と無理をしていなかった。そのことで何かを語りたいというより、みなさんご自身のまわりにもこういうことがありますよねっと、やさしい語りかけを感じました。介護も、老いも、生き方も、そして死に方にもいろいろあるのじゃないかと。両親を映すことで、みんなに何かを考えさせてくれる作品でした。
- 妻に「医学の進歩は人間を幸せにしたのだろうか」と話しかけ、「昔だったらすでに亡くなっているのに、今、こうして家に帰ってきたことは幸せだったのか」と。「私の時は延命だけは、絶対にしないでくれ」と、しっかり頼んで終わる、見事だと思いました。本当に良い番組。体力づくりもするお父さんは、すごく覚悟のある人で見習わないといけないと思いました。
- 4年程前に『人生フルーツ』という番組も見ました。今思えば、あれは本当に美しい物語でした。今回は、ドキュメンタリー、本当に人の匂いを感じました。そしてアジサイ、花というものが、画面をやさしくする、いろんな所にキーワードがいっぱいでした。
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