「闇バイトを捨て駒にした」トクリュウ主犯格に懲役8年求刑《e-Tax詐欺事件》高知県警の捜査で発覚
2026年5月21日(木) PM6時50分
匿名・流動型犯罪グループ・トクリュウがネットで確定申告ができるe-Taxを悪用し、全国の税務署から還付金をだまし取った詐欺事件。
主犯格の男に対し検察は「今回の犯行が横行すれば、国家の財政基盤を揺るがしかねないほど影響が大きい」などと指摘し、懲役8年を求刑しました。
この事件では、トクリュウが闇バイトに取得させたe-TaxのIDやパスワードを悪用し、全国の税務署にうその確定申告をして巨額の還付金をだまし取っていました。
高知県警はこれまでに140人の捜査員を投入し、18歳から76歳までの29人を逮捕。被害は全国13都道県の税務署で3080万円に上っています。
主犯格の小笠原惇被告(41)は税理士事務所で働いた経験から詐欺の手口を思いつき、サイバー犯罪グループのリーダーである18歳の少年に犯行をもちかけました。少年が闇バイトを勧誘するリクルーターを集め、この事件には数百人が関わったとみられます。
検察は小笠原被告について「犯行全体を取りまとめる主導的な立場であった。申請名義人の闇バイトを捨て駒のように扱い犯行を重ねていた」と指摘。その上で「国民の納税意欲や勤労意欲を著しく減退させる恐れがあり、厳重に処罰すべき」として懲役8年を求刑しました。
一方、弁護側は被告の犯行は「少年からの依頼」を受けたもので「従属的な役割であった」などとして寛大な判決を求めました。
小笠原被告は最後に「本来、捕まらなくていい人に影響を与え申し訳ない」と末端の闇バイトと還付金をだまし取った税務署に対して謝罪の言葉を述べました。
判決は6月25日に言い渡されます。
この事件はトクリュウが組織的に北海道から沖縄まで全国の税務署を狙った、前例のない詐欺事件です。こうした全国規模の事件は他県警との合同捜査が通常ですが、県警は総力をあげて単独で1年半にわたって捜査してきました。
その結果、特定が難しいとされるトクリュウの指示役を一斉に検挙。これは、捜査員の執念が実ったと言えます。
県警は5月21日、小笠原被告など主要人物への捜査が一定終了したと発表。今後は捜査の規模を縮小して、国税庁に情報提供をしながら必要に応じて捜査するとしています。










