全国最大34m津波想定の高知・黒潮町「逃げないかん」避難タワーは地域の“命の塔”【南海トラフ地震】
2026年3月11日(水) PM7時09分
行方不明者を含め約2万2000人が犠牲となった東日本大震災から15年。
未曽有の大災害が起きた翌年・2012年に国は南海トラフ地震の被害想定を公表しました。そこで提示されたのは、黒潮町に全国最大34.4メートルの津波が到達するという衝撃の数字でした。
黒潮町の人たちは今、南海トラフ地震の脅威とどのように向き合っているのか。高知さんさんテレビは3月10日、テレビ愛媛と共同で黒潮町から防災番組を放送しました。
川辺世里奈アナウンサーとテレビ愛媛の小川日南アナウンサーは“防災の町”黒潮町へ。佐賀地区の津波避難タワーから生中継しました。
テレビ愛媛・小川日南アナウンサー:
「高さはもちろん、一本一本の鉄骨の太さにも圧倒されます」
佐賀地区の津波避難タワーは高さ25メートルで地域の人に“命の塔”と呼ばれています。34メートルの津波がくると言われる町で生きるとはどういうことなのか、町の人に聞きました。
黒潮町民:
「現実味は全くなかったです。そんな津波って本当に来るのかなっていう。怖いですよ、いつ…夜とか、こたつに座ってて今、地震がきたらどうなるんだろうとか、訓練してきたことが役に立つのかなとか不安もすごくあります。
黒潮町民:
「うそやろ?いう感じの半信半疑が多かったね。タワーができるまでは年寄りが逃げるのに、大変だからもういいとか言う人がおったけど、タワーができて近くなったから、ここだったら逃げられるという人が増えて、訓練にも参加してくれて、意識的には高くなったと思う」
黒潮町民:
「自分の故郷だからここへ帰ってきました。友達がたくさんいるから。息子は津波が来るき反対やったけど、ここ(津波避難タワー)があるから許してくれて。みんな良く運動もするしね、ここ(津波避難タワー)へ来てね。ここは開放されているからあちこち行ってもね、割と鍵がしまっちょうとか自由に上がられんとこもね、あるみたいだけど、ここは朝も6時前からみんな散歩に来てますね」
町民の生活の一部となっている津波避難タワーに小川アナウンサー、川辺アナウンサー、三木優花アナウンサーも上りました。
テレビ愛媛・小川日南アナウンサー:
「周辺に高い建物が見当たらないので、この避難タワーの重要性が良く分かりますね」
川辺世里奈アナウンサー:
「今は海、穏やかですが災害時には津波となって押し寄せてくる、そう考えると怖いですし日頃から逃げる意識を持っておくことが重要なのだと感じます」
地域で防災活動を行っている明神里寿さんに避難タワーを案内してもらいました。
浜町地区・自主防災 明神里寿さん:
「1日、2日くらいはここで生活できるような。トイレも構えてあるし、食べ物もあるし」
屋上にはソーラーパネルやヘリコプターからの救助ができるスペースがありました。明神さんが見せてくれたのは―
浜町地区・自主防災 明神里寿さん:
「漁師ならではで、これが網ながですが、こう持っていただいて」
漁師網、何に使うかと言うと。
テレビ愛媛・小川日南アナウンサー:
「担架になってるんですね」
浜町地区・自主防災 明神里寿さん:
「まあ、いろんなやり方があるもんで」
川辺世里奈アナウンサー:
「実際に使ってみましょうか」
三木優花アナウンサー:
「安定感がありますね。ハンモックに乗っているような感じで」
川辺世里奈アナウンサー:
「女性3人で運びましたけど、安定していて網もしっかりしていますから」
津波避難タワーまで逃げられるか不安な高齢者に、まずは家の玄関まで自分の力で出てくる“一番短い避難訓練”を広めるなど、町民が主体となって地域に合った防災を考え続けています。
川辺世里奈アナウンサー:
「黒潮町の皆さん、日々どんな思いで防災に取り組んでいるのでしょうか」
浜町地区・自主防災 明神里寿さん:
「逃げるが勝ちじゃないけど、逃げないかんと。この辺の人たちは、海がいったん荒れたら自分らは逃げようっていうのを常に頭に置いて逃げるのみです。町長がね、犠牲者ゼロって言うんでそれに向かって町民も頑張らないかんなというような。日頃からここに上がって体力づくりをして自分たちの体も健康にして逃げろと、足腰丈夫にというような考え方がみんなあります」
南海トラフ地震が起きた時、安全に避難するためには住んでいる地域でどのような被害が想定されているのかなど、地域の特徴や情報を正しく頭に入れておく必要があると感じました。日頃から「逃げる」という意識を持ち、避難の経路や方法など複数の選択肢を持っておくことが命を守る鍵になると思います。
県は3月下旬、南海トラフ地震の最新の被害想定を公表する予定です。そちらも注目しましょう。










