『こんにちは、タネです。』牧野植物園で182種類のタネの企画展、 “ひっつき虫”のダーツも【高知】
2025年10月17日(金) PM7時01分
植物のタネに着目した企画展が県立牧野植物園で開かれています。これを見ればあなたのタネに対する好奇心が「芽吹く」かもしれません。
県立牧野植物園で開催中の企画展。その名も「こんにちは、タネです。」。牧野植物園がタネにスポットを当てた企画を行うのは初めてで、イチゴといった身近な食材や外国でしか見られないものなど182種類が展示されています。
植物は生き残るために離れた場所にタネをいろいろな方法で移動させます。自分が生えている場所にタネを落とすと水や養分を奪い合ってしまうため、発芽しても大きく育たないからです。これを種子散布といいます。
企画展では種子散布を風や水、重力など6種類に分けてパネルで紹介しています。こちらはココナツで知られる「ココヤシ」。海に浮かんで漂う水散布の方法でタネが運ばれます。
田村優介アナウンサー:
「草むらを歩くとよく服にくっついた“ひっつき虫”。これもタネの1つなんです」
“ひっつき虫”の1つオオオナモミは人の衣服や動物に「くっついて」運ばれるタイプ。タネの先端にフックやトゲがあるため付いてしまうとなかなか取れません。やっかいですけど生き残るための工夫なんです。でも、こんなふうに遊べます。
田村アナ:
「“ひっつき虫”を飛ばすダーツで遊ぶこともできます。(実演)いけっ!ひっつきました!やった!」
こちらはブナ科の果実ドングリを紹介するコーナー。県内で見られる21種類のドングリを見ることができます。
田村アナ:
「突然ですがクイズです。こちらには1本の木になるドングリがずらーっと並んでいますがその数は一体、何個でしょうか?」
田村アナ:
「正解は…およそ1000個でした」
ただ、1000個の実がなっても実際に発芽するのはほんのわずか。大半がネズミや虫などに食べられたり菌によって腐ってしまうということです。
長崎県から来た人:
「とっても勉強になりましたね。そんな深く(タネについて)考えたことなかったので。子供も一緒に来たんですけど、もう少し早く来たら夏休みの自由研究になったなって」
神奈川県から来た人:
「子供の頃に遊んだタネとかあったりして懐かしいなという思いと、ドングリとかこんなに種類があったんだという感じですね」
また世界の珍しいタネ58種類を紹介。鮮やかなコバルトブルーが特徴のタビビトノキのタネ。マダガスカルにのみ自生しています。一方、ライオンゴロシという何とも恐ろしい名前が付いた植物も。この果実の中にタネがありますが大きな鋭いトゲがあり、ライオンが悲鳴を上げるほどの痛さからその名がついたといいます。
牧野植物園植物研究課・加納幹 学芸職員:
「タネには意外と自分も知っていそうで知らなかったタネの仕組みや、移動する種子散布のやり方が詰まった形がたくさん見られるので、そこに注目して見ていただければ」
タネに着目した牧野植物園の企画展は12月7日まで開かれています。