牧野富太郎博士《直筆》の未公開掛図を初展示 高知県立牧野植物園で新発見
2025年4月11日(金) PM7時26分
牧野富太郎博士が描いた掛図が新たに発見され、高知県立牧野植物園で展示されています。
鮮やかな色彩で描かれているのは、春に見頃を迎えるヤマザクラ。
県立牧野植物園の「牧野蔵」では、牧野富太郎博士が描いたヤマザクラとアブラナの掛図が展示されています。
ヤマザクラ、アブラナのほかに、ワタ、イネ、ワラビの5点の掛図が発見されました。輪郭線がはっきりと描かれ、花のつくりがわかりやすく示されているのが特徴です。
掛図は明治時代、学校の黒板や壁に掲げて、主に理科の授業の際に使用されました。2025年1月、牧野博士の蔵書や植物図など約6万点を保存する牧野文庫で研究員が調査し確認されました。
掛図の端には「此原図ハ牧野富太郎ノ描キシ者也(この原図は牧野富太郎の描きしものなり)」と添えられています。過去の文献に博士が掛図を描いたという記載はなく、新発見の資料の可能性が高いということです。
また縦約90cm・横60cmと、掛図はサイズが大きく保存が難しいため現存する資料が限られているといいます。
牧野蔵ではほかにも、博士が実際に採集したサクラの標本も展示されています。
県立牧野植物園 植物研究課 村上有美さん:
「掛図があることは分かっていたんですけど、牧野博士が原図を手掛けていたものであることは分かっていなかったので、今回初めて牧野博士が描いたことが分かった資料になります。われわれも今回初めて展示ができるようになって非常にうれしく思っているところです」
掛図は牧野植物園の常設展示室「牧野蔵」で夏ごろまで展示するということです。
また牧野植物園は、4月24日、牧野博士の生誕を記念して無料開園します。午前9時から午後5時、普段は見ることのできない牧野文庫や標本庫の見学など、牧野博士の軌跡をたどるツアーも開催されます。