『龍馬さんの御引き合わせ』奇跡的に発見された龍馬の手紙など 記念館の軌跡たどる企画展【高知】
2021年8月17日(火) PM8時10分
『「狂言(=大政奉還)は大舞台(=倒幕)の基を立てるためのものですので是非とも上手く行わなければなりません。』
これは幕末の志士・坂本龍馬に宛てた長州藩・木戸孝允の手紙です。
龍馬はこの手紙をライフル銃1000挺と共に土佐藩の重役に渡しましたが、所在不明となっていました。
見つかったのは2017年。坂本龍馬記念館の新館が完成する前の年で、リニューアルオープンにうってつけの展示ができると記念館としては絶妙なタイミングでした。
県立坂本龍馬記念館学芸担当・三浦夏樹チーフ
「本当に奇跡的なタイミングで奇跡的な史料が出て来まして、展示収蔵に繋がっていまして、初代の館長の小椋館長はよく『龍馬さんの御引き合わせだ』というような言葉をおっしゃられていました」
高知市の県立坂本龍馬記念館で、貴重な史料との出会いをテーマに記念館の軌跡をたどる企画展が開かれていて、会場には龍馬にまつわる品19点が展示されています。
こちらは龍馬が土佐藩の後藤象二郎に宛てた手紙です。
手紙の最後の「十月十三日」の文字から、大政奉還の2日前に書かれたことが分かります。
この手紙を寄贈したのは安田町に住む南道さんです。
2010年に「龍馬の手紙の複製が高知市の住宅から見つかった」という新聞記事を読み「同じようなものがある」と記念館に連絡したのがきっかけでした。
一方、こちらは龍馬が懐に潜めていたものと同じ型のピストル「スミス&ウエッソン2型」です。
このピストルの展示を開始した2010年、記念館の運営は民間の文化財団が行なっていました。
このため殺傷能力がある銃の所持を一般人が行なうのは銃刀法違反に触れる恐れがあると一時、展示が中止された経緯がありました。
しかし…
森館長(当時)
「龍馬とピストルというのは、寺田屋の事件の関係からもみんな興味がある。とにかくいかん(現行法で違法だ)というのであれば、ぜひ見せられるようにやりましょうと」
中井国家公安委員長(当時)
「坂本龍馬が使っていたのと同じ型のピストルがですね、大至急に博物館での展示が叶う方法を考える」
当時の国家公安委員長が会見でピストルの展示について発言。
県が記念館の一部職員に展示できる資格を与えることで再展示が可能になりました。
県立坂本龍馬記念館学芸担当・三浦夏樹チーフ
「当館の中でも貴重な資料ばかりをそろえておりまして、史料がどういう経緯で当館の収蔵に繋がったのかというのを知っていただきたいのと、たくさんの人にご協力をいただいておりますその方々への感謝の気持ちを込めて展示をしています」
この企画展は坂本龍馬記念館で9月14日まで開かれています。