土佐塾中・高にコンビニ開店から1カ月…「高い・におい」問題を生徒の“アイデア”で解決【高知】
2026年2月26日(木) PM7時25分
2026年1月、高知市の中高一貫校に県内で初となるコンビニができました。オープンから1カ月がたち、生徒たちにとってどんな存在になっているのでしょうか。
高知市にある土佐塾中学・高校。ここには2025年11月まで食堂がありました。経営の厳しさから全国的に食堂を運営する業者が学校から姿を消していく中、こちらの学校ではそれに代わるコンビニの誘致を決断。1月14日、食堂があった場所を活用してオープンしました。
約1000種類の商品を取りそろえ、平日の日中は店員が常駐。土曜日の一部時間帯と日曜日・祝日は無人で、セルフレジでのみ対応するスタイルです。
生徒会副会長(中学3年)・平岡怜さん:
「コンビニができたことで軽食、おにぎりを食べたり、放課後にアイスを食べて友達と一緒に話したりとか充実度がすごく増しています」
店舗によりますと具体的な利用者数は「明らかにできない」とのことですが、昼食時間帯を中心に放課後の部活帰りやバスの待ち合わせ時間に立ち寄る生徒が多いといいます。
オープンから1週間たった1月下旬、生徒会が課題とニーズを把握しようと高校3年生を除く全校生徒を対象にアンケートを実施。コンビニのオープン自体はほぼ全員が好意的に捉える一方教室で、食事をした後の臭いを気にする声が上がりました。
そこで生徒たちが考えたのはごみの分別。学校側にごみ箱の設置を提案し、廊下に消臭機能のあるふた付きのごみ箱を新たに用意してもらいました。教室にあるごみ箱は授業の中で出たものを捨てるのに限定し、飲食で出たごみは「ふた付き」に捨てるようルール化。さらに、授業時間とのめりはりをつけるため昼休みの終了前には換気もします。
中学1年生:
「ごみがいっぱいあって散らかっていたりしたのが、ふたのあるごみ箱になったことで、すっきりした見た目になったり臭いも前より全然なくなって」
そしてもう一つ。アンケートで指摘されたのは価格です。コンビニの商品はどうしても高いというイメージが付きまといますが、ここも生徒たちが工夫をしました。
竹久祐樹 記者:
「生徒会長が考案したセットメニュー。『洋食屋さんのわがまま弁当』を用意してみました。ご飯を家から持参すると308円で会計が収まります。これならもう一品何か買えそうです」
生徒会のメンバーがコンビニで販売されている商品を組み合わせてお手頃価格のメニューを提案。家から持ってきたご飯にチーズ入りのハンバーグとみそ汁をセットにしてみたり、おむすびとチキンの総菜、ゆで卵を組み合わせてみたり。ポスターを張って価格とともに紹介しています。
生徒会副会長(中学3年)・平岡怜さん:
「(コンビニだと)実際値段が高くてあまり多い量を食べることができなかったりするので、これを参考にすることで簡単に栄養満点でおいしくたくさん食べられることを意識しました」
コンビニ側の取り組みも。容器入りのサラダより価格が手頃な袋入りの商品を並べたり、ハンバーグやカレー、煮物といった総菜を入れる容器を無料で提供したりし始めました。
コンビニを運営する鏡川商事・中之薗栄一郎さん:
「クーポンを有効に使ってお得に買い物をする生徒も結構増えてきて、考えて買い物をしている子が増えたなと感じます」
中学1年生:
「いつも自分の身近にある買い物のできる場所なので、それが増えたのは少し社会に出られたのかなと。大人になれたかなと思います」
自分たちで計算しながら必要な物を購入することが生徒たちの成長にもつながっている様子です。
全校生徒のアンケートはコンビニの運営会社にも共有されていて、要望のあった生理用ナプキンの種類を増やしたり雨具の取り扱いを始めたりと、ニーズに沿った品ぞろえを進めています。
土佐塾中学高校広報企画室・結城慎二 室長:
「(本校は)子どもたちがたくさんある選択肢の中から何を理由に選んでいくのかということを大事にしているので、1000種類程度の商品がある中で自分が金額であったり、栄養素であったり、必要なものであったり、何をベースに選択するか考えながら買い物をしないといけないので、学校の目指すべきものと合致しているなと思う」
学校にできたコンビニ。専門家はどのように見ているのでしょうか。流通アナリストの渡辺広明さんに聞きました。
渡辺広明さん:
「コンビニは今の若者にとって小さい頃からなじみのもので比較的品質も高いので、そうした物が学校内で買えるのは大きなメリットがあるのではないかと思う」
そしてコンビニ側のメリットも大きいと指摘します。
渡辺広明さん:
「小売業に関してはこれから人口減で(コンビニに限らず)店舗が飽和状態になってくる。確実に客が取れる「閉鎖商圏」である学校の中や、駅売店会社・工場の中といった「閉鎖商圏」に出すことはコンビニにメリットがある」
渡辺さんは今後のカギは学校側のニーズと店舗側の利益の確保の「両立」と分析します。
渡辺広明さん:
「どんな行事があったらどれだけ売れるのかとか、新入生が来たら(何が)売れるのかとか、時期による売り上げが分かってくるので、一年間やっていくとそれぞれの学校のニーズが的確につかめるのではないかと思う。それぞれの学校の顧客に合った品ぞろえかつコンビニからすれば売り上げ・利益がきっちり確保されるということがポイントになるのではないか」
学校の中に誕生したコンビニと生徒がどう関わりながら進化を遂げていくのか注目です。










