【高知】「のどに鋭い痛み」新変異株『ニンバス』 県内コロナ感染者、「さらに拡大の恐れ」医師警鐘
2025年8月21日(木) PM7時45分
今、新型コロナの感染が拡大しています。高知県内の1医療機関あたり(1週間ごと)の感染者数は7月に入ってから右肩上がりに増え、21日発表の先週の数は7.87人でした。よさこい祭りやお盆休み中の人の移動で今後も増えるとみられます。
そして、2025年は新たな変異ウイルス「ニンバス」が全国的に流行しています。注意点を医師2人に聞きました。
高知市の近森病院では、7月からコロナ患者が増え8月17日までの1週間で11人の感染が確認されました。症状の特徴について石田正之医師はー
近森病院・石田正之医師:
「のどの症状を訴える人が多くなっている。かみそりで切ったような非常に鋭い痛み。お盆やよさこい祭りで人の移動・交流があった。これから、さらに陽性者が増えていく可能性は十分考えられる」
高知市の玉木内科小児科クリニックの玉木俊雄院長は、オミクロンの新たな変異ウイルス「ニンバス」に警鐘を鳴らします。
玉木内科小児科クリニック・玉木俊雄院長
「ニンバスと呼ばれている新しい変異株が、都市部では半分を超えている。万博やイベント会場で広がる心配がある。交流がある地域同士で広がっていくことは十分予想される」
「ニンバス」の症状の特徴はのどの強い痛みです。全国で流行していて、高知でも5月に1例の感染が確認されました。
近森病院・石田正之医師:
「コロナが5類になって2年ぐらいが経つ。症状があっても受診しない方が増えてきていると思う。表に出てきている感染者の数字は、実際よりもかなり低い可能性がある」
コロナは2023年、インフルエンザと同じ感染症の5類に位置づけられました。コロナの怖さをどう捉えればよいのでしょうか。
近森病院・石田正之医師:
「コロナ感染症で亡くなる人の数が、インフルエンザより明らかに多い。基礎疾患や病気をもっている人、高齢者にとっては脅威となる病気」
今後、県内でも「ニンバス」の流行が予想されています。変異を繰り返すコロナとどう向き合い、予防すればよいのでしょうか。
近森病院・石田正之医師:
「うがい・手洗いをする。一般的な感染予防は続けていくことが重要。重症化リスクが高い人と接触が多い人ほど、ウイルスを持ち込まないよう注意を払う」
「多くの人がワクチンを最後に打って半年、1年以上が経っている。今までワクチンで守られていた部分の効果はほぼない。ワクチンを打つチャンスがある場合は積極的に打って、2次感染予防を考えていくことが重要」
医師が接種を呼びかけるコロナワクチンですが、ハードルが高いです。2024年から任意接種となり費用は1万円以上。65歳以上の高齢者や重症化リスクの高い人には補助がありましたが、2025年秋からの接種は国の助成金がなくなったためどうなるか分かりません。
しかし、コロナは怖い病気。国のまとめによると、感染者の死亡者数でみればコロナはインフルエンザより多いです。
ただ、注意を呼びかける制度も不十分です。インフルエンザは1医療機関あたりの感染者が1週間で10人を超えれば注意報、30人を超えれば警報が出ます。しかし、コロナには注意報、警報を出す制度はありません。国が検討している段階です。
改めて県内の新規感染者数を8月のカレンダーでみると、県内・1医療機関あたり、第1週は5.76人、第2週は7.00人、21日発表された第3週は7.87人となりました。第3週は休んだ医療機関もあるため、感染者の数は低く出る傾向にあります。
近森病院の石田医師は、来週木曜に発表される第4週の新規感染者はインフルエンザの注意報レベル10を超える可能性が高いとみています。
基本的な感染対策と重症化リスクのある高齢者や、基礎疾患がある人に感染を広げない対策・配慮が求められます。