「サイズにかかわらず、黄身の大きさはほぼ同じ」ってホント? 市場のS、SSサイズ、実は…
2025年6月25日(水) PM7時33分
最近、価格が高騰している卵。毎日の食卓に欠かせない食材ですが、お得に使える方法があるとしたら知りたくありませんか?
「サイズにかかわらず、黄身の大きさはほぼ同じ」…卵に関するそんな話を聞いたことがありませんか?
スーパーで買い物する客:
「聞いたことある。誰から聞いたか忘れたけど、卵の黄身は大体同じ大きさや言うたき」
話の発端は卵の価格高騰です。高知では、Mサイズ10個入りのパックが330円前後と、依然として高い状態が続いています。そんな中「財布に優しい」と注目を集めているのが、1個30円を切るものもある「小玉サイズ」です。どの卵も黄身の大きさがほぼ同じならSサイズを買った方がお得!
ところが割ってみると、まるでウズラの卵かと思うほど明らかに小さい黄身。直径は約2センチです。Mサイズと比較してみると、ひと回り以上も小さいのが分かります。「黄身の大きさは同じ」というのはただの噂だったのでしょうか?
卵の研究を続けて46年。大学で管理栄養士の“タマゴ”を育てる八田一先生は、次のように話します。
京都女子大学名誉教授・鶏と卵の研究所所長 八田一先生:
「Mサイズ,L,LLサイズほぼ卵黄の大きさは一緒ですね。(M~LLサイズの)卵黄の大きさは18~20グラムでだいたい一緒。卵の大きさが違うのは、卵白(白身)が大きな卵はたくさん入っている」
実際に計測してみました。卵全体ではそれぞれ重さが異なりますが、黄身だけを調べてみるとSサイズは10グラム。続いてMサイズは、Sサイズの倍以上となる21グラムでした。
LLサイズはというと、22グラム。八田先生の言う通り、MとLLサイズについてはほぼ黄身の大きさは同じという結果になりました。
そもそも卵のサイズは、鶏の種類ではなく年齢で変わります。若い鳥の産むSサイズは小さ過ぎるので加工用に使われることが多いそうですが、なぜ今、市場に出回っているのでしょうか。
原因は、鳥インフルエンザです。去年(2024年)の秋から今年にかけて猛威を振るい、およそ900万羽が殺処分されました。
八田一名誉教授:
「それだけ卵が少なくなっているんですね、市場に。ひよこから育てて180日目くらいから卵を産んでくれますけど、最初に生まれてくるSやSSサイズが、(他のサイズの)卵が足らないから特別に市場に出てるんじゃないかなと思います」
SからLLまでサイズが選べる現在の卵事情。どれが一番お得なのか?八田名誉教授のオススメは「料理に合わせたサイズ選択」です。
八田一名誉教授:
「卵の味はほとんどが卵黄にある。おいしさは。Mサイズは2:1なんですね。それを料理に使うと卵の味が一番濃く感じる」
卵の味を楽しむオムレツや卵焼きはMサイズを、卵白の多いLサイズはケーキやメレンゲなどお菓子作りにおすすめだそうです。
ちなみにSサイズは?
八田一名誉教授:
「卵かけごはんに合うかもしれませんね。今、米も少なく高いですし、小ぶりの卵かけごはん用の卵としてはSSサイズもいいのでは」
餌代の高騰もあり、まだしばらく値段の高止まりが続きそうな卵。料理に合わせて上手に使い分けをしてみてはいかがでしょうか。
卵の表面は一見きれいにみえますが、殻にはバクテリアが多く付着しているそうで、殻を触った後はせっけんで手を洗うようにしてください。間違っても、子供のお弁当を用意する際に、卵焼きの卵を割った手でそのままおにぎりを握ってはダメ。食中毒を防ぐために対策をしっかりお願いします。