天狗高原の希少植物を守れ 現地で対策を話し合う検討委員会 【高知】
2023年6月12日(月) PM7時17分
高知県による天狗高原の遊歩道整備で希少植物の自生地の一部が失われたなどとされる問題です。今後の対策を話し合う初めての検討委員会がきょう(12日)行われ、専門家らが現地を見て回りました。
現地視察したのは津野町の四国カルストにある天狗高原です。県の担当者や地元の有志、植物の専門家ら検討委員会のメンバーが自生する希少植物の現状などを確認しました。
津野町の有志団体・熊田 光男代表
「ヒメユリ、真っ赤なきれいな花。ここを代表するきれいな花で絶滅危惧種。こういうのが工事でだいぶやられていますから。平気でこういう所を掘っていったからね。これがずーっと一面咲いてきます」
矢野 愛優記者
「以前から使っていた道の隣には真新しい道ができています。こちらはなだらかな斜面で車いすの方でも走行が可能なバリアフリー道となっています」
遊歩道は車椅子での通行を可能にするバリアフリー化などを目的に県が去年9月までに整備を進めていました。こちらは舗装前、2018年の写真です。そしてこちらが舗装後で幅2メートルのアスファルトの道路が1.4キロにわたり草原を貫いています。
地元の有志らは改修工事によって草原の景観が損なわれ、さらに工事がずさんだったため絶滅危惧種の植物の自生地が一部で壊された、などと訴えています。
記者
「石ってどういうことですか」
熊田代表
「この白い石、石灰岩。これ工事でここへ捨てられた石です。白いのは道路掘るときに出てきた石。持っていく先がないから勝手に置いたんじゃないですか」
視察後には意見交換の場が設けられ、県の担当者が工事の経緯などを説明。専門家らは「自然開発に配慮が足りなかった」とした上で県に対して「遊歩道の脇に積んである石を一部実験的に撤去し、植物が自生するか確かめる必要がある」などと厳しく指摘しました。
希少植物等保全対策検討委員会・谷脇 幸秀委員(津野町商工会 会長)
「風化した状態になっていくのも非常に危ないかなと。今後は私たち地元のものにとってどういうふうな生かし方ができるのかなというところが不安要素の一つです」
希少植物等保全対策検討委員会・石川 愼吾委員長(高知大名誉教授)
「そこにしかいない動物や植物が確実にたくさんいる。どこまでだったら自然を改変して壊してもいいのか、これから議論していくことになると思う」
次の検討委員会は8月中に行われる予定です。