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News- 高知のニュース

中土佐町の廃校がIT交流施設に 上ノ加江地区に「集学校」開校 【高知】

廃校を利用してパソコンやスマホなどの無料相談ができる「上ノ加江集学校」が高知県中土佐町に開校しました。「集学校」とは聞きなれない名前ですが、ITの普及を目指すという四国初の施設を取材しました。

中土佐町の中心部からおよそ5キロの港町・上ノ加江(かみのかえ)地区。人口およそ950人、高齢化率は55%で2人に1人が高齢者です。

この地区で去年7月に廃校となった旧上ノ加江中学校の校舎を活用して誕生したのが「上ノ加江集学校」です。おととい(22日)池田 洋光町長や地元の住民が出席し開校式が行われました。

中土佐町・池田 洋光町長
「本当に私ども行政も大変期待しているプロジェクト。リングローさんのおかげでこの上ノ加江中学校が輝きを取り戻すと」

リングロー・碇 敏之社長
「ITってどうやれば活用できるのか、まだまだ知られていないので、少しでも活用できるような便利な世の中になっていけばいい」

“集学校”を運営するのは東京のIT関連会社で、中古パソコンの修理・販売を手掛ける「リングロー」です。“集学校”とは、地方のIT課題を解決するプロジェクトで、2017年からスタート。
廃校を活用して地方でのIT普及を目指す施設で、山形県を皮切りに全国で開校。上ノ加江は15校目です。

Qスマホ見せてもらえます?
住民(75歳・女性)
「よう使わん、あんまり。電話かかってきたら出るだけ。(あと)娘とLINEするくらい。(集学校は)家も訪問してくれるそうですので、また聞きたいと思います」

集学校には3人のスタッフが常駐。「今日室(きょうしつ)」と名付けられた部屋は“IT時代の今日を楽しむための開放的な空間”で、「IT機器のなんでも相談所」です。パソコンやスマホの使い方を始め、どんな内容でも無料で相談できるほか、町内での無料出張サポートも行います。

リングロー・碇 敏之社長
「特に高齢者は“難しいから覚えたくない”“電話だけでいい”というが、お孫さんとか友達と“LINEやってみたい”とか実はある。そういう本音を引き出す。少しずつ(IT機器を)使ってもらえるようにこの地域でも浸透していけたら」

また、沢山ある空き教室を活用したのが「職in室(しょくいんしつ)」。“様々な職業の人が集学校に入って仕事をする“場”として企業などに定額で貸し出します。

さらに「古部屋(こべや)」と名付けられたスペースには卒業生や住民が学校の思い出話ができるよう、昔の写真や歴代の文集などが飾られています。

廃校は中土佐町がリングローに無償で貸与していて、イベント開催や集会など住民が無料で利用できるスペースも作る予定です。

「集学校」と名付けられたプロジェクトには、地域のシンボルだった廃校を再び人々の“集う”場所にしたいという願いが込められているのです。

卒業生(36歳)
「久しぶりにグラウンドでイベントがあって、めっちゃいいなと思って。明るくなる、気分が」

卒業生(35歳)
「この田舎で集まれる場が出来たら、もっと集団で活動できることも増えてくると思うので、みんな明るくなればいいかなと思う」

リングローは事業の拡大に合わせて地元での雇用も増やしていくということで、地域の活性化に期待が寄せられています。

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