「首の皮一枚」 最前線で戦う医師が語る医療ひっ迫 全数把握は?ピークは?【高知】
2022年8月31日(水) PM6時40分
高知市の「玉木内科小児科クリニック」の駐車場は、きょう(31日)も受診を待つ車で満車状態に。発熱外来の予約患者は車に乗ったまま看護師の問診を受けたあと一般の患者とは別の建物で検査を受けます。何度も電話して、やっとつながったという女性は発熱した息子2人がPCR検査を受けました。
このクリニックでは8月の受診者のピークは17日で、1日に50人、実に9割以上が陽性だったと言います。
(玉木内科小児科クリニック 玉木俊雄院長)
Q.対応はなんとかできていた?
「首の皮一枚だった。危なかったのは(受診者が)一番多かった17日にナース2人と事務員1人が感染し10日間休んだので、その間、残りのスタッフで(対応)。私も今、濃厚接触者になって毎朝PCR検査やってマイナス確認してから診療しています」
受診者は10日から20日頃に急増。現在は陽性率も5割から7割とピークは超えたとの印象を持つ玉木院長ですが8月の陽性者は430人と、これまでクリニックで判明した1030人の4割にあたる感染者が出ていました。
一時は発生届けの作成が大変だったと言いますが、重症化リスクが高い人などに絞る「全数把握」の見直しには反対だと話します。
(玉木内科小児科クリニック 玉木俊雄院長)
「負担の軽減ということを理由に全数把握をやめるのは非常に問題かなと。ひとつは重症化する方の対応が遅れる可能性がある。もうひとつはハーシスのシステムを次の未知の感染症のために生かすためのビッグデータにしたほうが絶対にいいと思うので、医療従事者も保健所も頑張ってデータを続けていくのが望ましいと考えてます」
「医療機関や保健所がひっ迫しているなら、その応援体制を考えた上で全数把握を続けていくべきだ」と訴えていました。
(玉木内科小児科クリニック 玉木俊雄院長)
「コロナの動きは専門家でも予想できない。オミクロン株対応のワクチンとか3・4回目のワクチンを迷っている方は、ぜひこの機会に考え直していただけたら」