日本に7人の『大佛師』の仏像が高知大丸に「作者の魂がこもっている」約5000万円の聖観音像も
2022年5月18日(水) PM5時00分
思わず手を合わせたくなるような穏やかな表情をした仏像。
高知大丸の本館5階で5月18日から始まった「大佛師 向吉悠睦展」です。
これらの仏像を作ったのは日本にたった7人しかいない「大佛師」の称号を持つ向吉悠睦さんです。これまで大阪にある大本山法楽寺などの仏像を制作。現在は大阪で仏像の制作や修復などを行いながら全国で個展を開いていて、今回が四国初開催です。
訪れた人「1つ1つに作者の魂というか思いがこもっている。見ていてすごく惹き付けられる」
会場には80点余りが展示販売されていて、その作品の多くには妻で截金師の中村佳睦さんによってきらびやかな金箔が施されています。
制作に8か月を費やしたこちらの仏像は穏やかな表情にするため6度も手直しを行ったというこだわりの作品。「後背」と呼ばれる仏の持つオーラを雲の形にかたどり、その上に9人の仏を並べています。
また、最も高価な作品がこちら!約5000万円の聖観音像です。細かい手の指や足先が美しく仏が吹き上げる風を感じる様子を再現しています。高さが約3メートルあるにも関わらず重さは約30キロというこちらの仏像。その理由は中が空洞になっているからです。火事が多かった時代に寺から簡単に運び出せるよう配慮された作り方で、古くから大切にされてきた仏像の歴史が感じられます。
大佛師 向吉悠睦さん「700年、800年前に完成した技術をそのまま使いながら今の技術と感覚をプラスして仕上げてある。昔ながらの仏像ではあるが、仏像ってこんなにきれいなんだなというところが伝わればありがたい」
この個展は高知大丸の本館5階で23日(月)まで開かれています。