届け出の3倍の土砂「小松の沼」を岡崎高知市長が視察 住民「もっと危機感持って」【高知】
2022年2月16日(水) PM6時00分
違法な造成工事が行われた高知市の「小松の沼」を岡崎市長が初めて視察。地域住民からは市の対応を批判する声が相次ぎました。
地域住民「本当に市民の安全安心を考えて市政を行っているのか」「目前に南海地震がくることは分かっているもっと危機感をもってほしい」
高知市の対応を批判する住民たち。その原因はー高知市春野町にある「小松の沼」の問題です。ここに届け出を大幅に超える土砂を搬入したなどとして去年11月業者が逮捕されました。積み上がった土砂は2万5000平方メートル、高さは最大22メートルと届け出の3倍に。地域住民は小松の沼ならぬ「小松の山」と呼んでいます。
専門家は大雨や地震の際土砂崩れの危険性があると指摘しています。
高知大・岡村眞名誉教授「大規模な崩壊が起こると土砂の末端がここまで流れ下ってしまう。ハウスの中では仕事をされている。そこに人がいるわけだからその危険性は十分考えとかないといけない」
去年12月の市議会でも市の責任を問う声がー
氏原嗣志議員「市の指導が行き届いていない結果として見えてない。全く市の責任がないとは私は言えないと思う」
市の対応が注目される中、岡崎市長はきょう初めて現地を視察しました。
岡崎市長「ここまでひどい違法な造成地はあまり記憶にない」
その後の地域住民との意見交換会で岡崎市長は、土砂への対応について次のように説明しました。
岡崎市長「民有地で業者が違法に造成した我々が法的に代執行で土砂を代わってのけるのは相当な経費がかかる。法的に代執行は難しいと考えている」
地域住民からは市の対応を批判する声が相次ぎました。
地域住民「手を早く打つべきやった。南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない状態であの高さ22mの山が液状化したらどうなるか」「今まで市役所が業者に対して何回も何回も指導してきてこういう状態になり、目前に南海地震がくることは分かっている。もっと危機感をもってほしい」
高知市は今後土砂の危険性を検証するとともに業者に対して防災上の安全措置を講じるよう指導を続けていくとしています。