高知県香美市物部町の山奥で作られている希少なサツマイモを使ったスイーツがこのほど完成しました。

上部にこんがりとしたクッキー生地を載せたかわいらしいお菓子。これが今月完成したばかりの「神池芋(かみいけいも)カヌレ」です。きょう(8日)開発した香美市のスイーツメーカー「ワンデースイーツラボ」が依光 晃一郎市長を訪ね、完成を報告しました。

このカヌレに使われている芋は「高系4号」というサツマイモです。戦時中は燃料用のアルコールを取るために全国で栽培されていましたが戦後ほとんど作られなくなりました。ただ物部町神池地区では神事の際にも食べられる郷土食「けんかもち」の材料として細々と作られてきたのです。

そんな「幻の芋」で地域を活性化しようと3年前に有識者らで構成する「香美市ものづくり会議」が「焼酎」を開発。活動を知ったワンデースイーツラボが地域に貢献したいとスイーツづくりに着手しました。

ところが、焼き芋にしたところ…

「鎧をまとったような…。皮がヤシの実みたい。ヤシの実やぁ」

実も硬く繊維も太い状態。しかし冷蔵庫で1カ月以上寝かせてみると劇的な変化が。このように柔らかくなり硬かった繊維もやわらかくなめらかに。

ワンデースイーツラボ・小松 幸一社長
「想像よりも味が上品でしっかり甘味もあって、これは絶対お菓子に使えるなと」

焼き芋のペーストにカスタードなどを混ぜ、ピスタチオの入ったクッキー生地を載せてカヌレ型で焼き上げました。

さっそく、試食した依光市長は…

香美市・依光 晃一郎市長
「上品。同じ芋と思えない。今まで食べたけんかもちとか、これまでの商品と同じと思えない。すごくオシャレ」

ワンデースイーツラボ・小松 幸一社長
「この“神池芋”高系4号は非常に希少な芋。今後たくさんの人に知られてまた需要が伸びれば」

「神池芋カヌレ」はクラウドファンディングサイト「Makuake」で今月中旬から下旬に先行予約販売されます。