梅雨前線が活発化 高知県内に線状降水帯が発生 車水没、列車脱線など被害相次ぐ【高知】
2023年6月2日(金) PM7時00分
運転席の窓ぎりぎりまで水に浸かった車。高知県大月町の黒潮生物研究所の駐車場で午前10時ごろに撮影された映像です。
車の持ち主 吉岡武瑠さん
「通電して、勝手にトランクも開いてしまって、ハザードも光ってる状況」
車の持ち主で研究員補佐の吉岡さんは、職場と自宅の兼用駐車場として車を置いていたといいます。
車の持ち主 吉岡武瑠さん
「天気予報はこまめに見てて、きょう2日の午後くらいからひどくなるかなと思っていたんですよ。きょう朝起きてから車を動かそうかなと思っていたら、もう遅かったって感じです」
けさ8時に吉岡さんが自宅から外の様子を確認したところ、タイヤ部分がすでに浸水。研究所の近くを流れる小川が氾濫し、濁流が駐車場に流れ込んでいました。水没した車は、吉岡さんが4年前に新車で購入したスバルのスポーツカー「BRZ」。運転席の足元には水がたまり、ボンネットも完全に浸水していました。
車の持ち主 吉岡武瑠さん
「完全につかっちゃったんでダメですね。修理するにしてもすごくお金がかかってしまうので、乗り換えた方が早いかなって…仕方ないなと。雨の影響で、家とかダメになっちゃってる方とかいらっしゃると思うので、そういう方に比べたら自分は車だけで済んだのでマシかなと」
一方、高知県黒潮町では、ホームセンターの周辺が冠水していました。川のように見えるのは駐車場です。
玉井新平 アナウンサー
「あちらの橋の下に小さな川が流れています。午前中に水があふれ出し、その水がホームセンターの駐車場に流れ込みました。今も一帯が冠水していて資材の一部が浸かっています」
玉井新平 アナウンサー
「きょう2日は荒れていますが、本来は雄大な太平洋を望む山側の斜面に土佐くろしお鉄道が走っています。しかし1両が脱線、山側に傾いているように見えます」
きょう2日午前9時頃、宿毛駅を出て窪川方面に向かっていた土佐くろしお鉄道の1両編成の普通列車。線路に流出した土砂に前側の2つの車輪が乗り上げ脱線。約30メートル走って停車しました。
現場は黒潮町の有井川駅から土佐白浜駅の間でトンネルを抜けた後のゆるやかな左カーブ。山の斜面から大量の水と土砂が線路に流出していました。当時客はおらず、乗務員と添乗係員2人が乗っていましたがケガはありません。あす3日、国の運輸安全委員会が現地調査を行う予定です。
一方、高知市の鏡川は…
川辺世里奈 アナウンサー
「午前11時半の高知市です。強い雨が降っていて鏡川は濁り、流れが早くなっています。水位が上昇し対岸の駐車場のぎりぎりまで水がきています」
鏡川の水位は一時、通常時よりも1.5メートルほど高い1.8メートルまで上昇しました。
高知県安芸市の国道55号では…
中川哲 記者
「こちらは安芸市穴内の国道です。山の斜面が剥がれ落ちて、倒木が歩道まではみだしています」
けさ(2日)10時半ごろ国道沿いの山の斜面が崩落。
目の前で、崩れる瞬間を目撃したというガソリンスタンドの店主は。
竹内石油・竹内忠吉さん
「(けさは)7時からずっと降りっぱなしで、10時半ごろが1番強かった。その時、上からバラバラと音がしまして、一気にドンと来た。びっくりしました。」
壁に積んであった土嚢がかろうじて土砂をせき止めている状況ですが、さらに崩れそうにも見えます。
一方、安芸市・伊尾木川沿いの上流域、大井地区の数か所でがけ崩れが発生。このため県道208号線の奈比賀ー加増家の区間が通行止めとなっています。大井地区付近で朝から仕事をしていて危険を感じ仲間と降りてきたという男性は。
作業していた男性
Q:上はどんな状況?
「至る所で山がはげてます。自分らも、帰らないかんもんやき、何とか手で寄せて戻って来たけど、崖が崩れちゅうところもあるし、道が抜けそうになっちゅうところもある。もう、大変です」
高知県内は、今夜遅くにかけて局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降る見込みです。あす3日午後6時までに予想される24時間降水量は、いずれも多いところで中部で100ミリ、東部で150ミリ、西部で120ミリとなっています。
気象台は引き続き土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。