中学卒業から55年目”古希の文化祭” 夢、介護、喜び…それぞれの人生を作品に込めて【高知】
2021年4月6日(火) PM8時00分
1966年・昭和41年の古い卒業アルバム。高知市の城北中学校に通っていた450人の青春がモノクロ写真で残っています。あれから55年…
70歳の皆さん
「中3で舟木一夫じゃのなんじゃのって言いゆう時代にいきなりビートルズやったろ」
「高1やね」
「いきなりやないアニマルズ(イギリスのロックバンド)が先やったき、山下(同級生)が歌いよった」
昔話に花を咲かせているのはみーんな70歳。城北中学校時代の同級生です。有志が集まりきょう(6日)から6日間、かるぽーとで「55年目の城北中学校文化祭」と題した展示会を開いています。洋画・日本画・書道など11人による50点の作品を展示しています。
5年に1度は同窓会を開いてきましたが、「70歳」を機にもっと多くの同級生に会いたいと企画しました。言い出しっぺは
70歳の皆さん
「せっちゃんがボスよね、見るからにそうやろ」
せっちゃんこと今も昔もボーイッシュな明神せつさんです。
明神せつさん
絵は中学校の時から?
「全然、何にもやってない、主婦です」
絵画教室を開いていた父親が亡くなったのを機に18年前から絵を描き始めました。
作品を見に訪れる同級生の姿を見て「やってよかった」と笑顔を見せます。
明神せつさん
「人間と人間のつながりって機械じゃいかんというのが基本やき」
一方こちらは新型コロナで休校していた学校が再開した喜びを表現した作品です。作者は61歳から絵画を始めた竹村喜夫さんです。実は、ある願いを抱いていた竹村少年。
竹村喜夫さん
「昔から本を出版してみたいなと思っていた。70になって初めて本を出版することなった70歳の新人なんです」
今回の文化祭の舞台裏を書いた「セピア色の答案用紙」という小説が5月、同人誌で発行されることになったのです。
55年前の自分にメッセージ 竹村喜夫さん
「希望は捨てるな!いつか叶うぞ、いつだって希望はある!それを見つけるのはあなたです」
大きな書を出品した女性もいます。
竹田展子さん
「まさか70前になってやりはじめるとは思いませんでした」
竹田展子さんは、事故で重度の障害を負った夫の介護を27年間、認知症になった母の介護を12年間。加えて3人の孫の面倒もみてきました。
竹田展子さん
「大変な時期だった。私の時間が何にもないしこのまま年老いて朽ちていくのもイヤだなと思って昔書いた書のことを思い出して」
様々な感情が力強く表現された書は会場でも存在感抜群です。
55年前の自分にメッセージ
竹田展子さん
「のんきなあなたは将来とっても過酷な人生になるけど頑張ろうねって、笑いを忘れずに行きましょう、って言いたい。今、笑っています、いつも」
様々な人生がにじみ出る古希の文化祭。高知市のかるぽーと7階展示室で4月11日まで開かれています。